稀代の悪役「ハンニバル」がドラマで復活!

これぞ元祖・犯罪プロファイリングの真骨頂

犯罪者の心理に入り込み、ほとんど同化してしまうほどの高い能力を持つ犯罪プロファイラーのウィル・グレアム(ヒュー・ダンシー)。FBI捜査官ジャック・クロフォード(ローレンス・フィッシュバーン)は、若い女性の連続殺人事件の捜査協力をウィルに依頼するが、ウィルは事件にのめり込んでいく中で情緒不安定が悪化し、幻覚が頻繁なものとなっていく。

ハンニバル・レクター(マッツ・ミケルセン)

ジャックは、天才的な精神科医ハンニバル・レクター(マッツ・ミケルセン)にも捜査協力を依頼すると同時に、ウィルの精神状態を診ることを依頼する。ウィルに興味を抱いたハンニバルは、裏では狡猾で残忍な殺人ゲームを楽しみながら、ウィルだけでなくジャックの心にも深く入り込んでいく――。

「ハンニバル」シリーズを原作なり映画版なりで見たことがある人は、ウィルやジャックといった主要な登場人物に聞き覚えがあるに違いない。シーズン1には、『羊たちの沈黙』にも登場した嫌みったらしいチルトン博士も登場する。が、本作は原作および映画版を基に、ハンニバルが連続殺人鬼の顔を世間に隠していた、精神科医時代の“空白の時間”を描いたオリジナルストーリーである。

『HANNIBAL/ハンニバル』シーズン1 予告編 (英語版)

「ハンニバル」シリーズをおさらい

ここで「ハンニバル」シリーズにおける本作の位置づけを把握するために、原作および映画版のタイムラインを整理しておきたい。

ハリスの著作でハンニバルが初登場したのは、『レッド・ドラゴン』だ。主人公は、かつて「人食いハンニバル」を逮捕したFBIアカデミー教官ウィル・グレアム。世間を騒がせている一家惨殺事件の犯人像をつかむべく、ウィルはハンニバルに意見を仰ぎ、ヒントを得て連続殺人犯を追い詰めていく。第2作が『羊たちの沈黙』で、FBI訓練生クラリス・スターリングと、州立精神病院に措置入院しているハンニバルが、奇妙なコラボレーションにより残忍な連続猟奇殺人を解決していく。あくまでも両作ともにハンニバルはサブ的な存在で、事件の主犯は別のシリアルキラーである。

が、映画版『羊たちの沈黙』がアカデミー賞主要5部門を独占し、世界中で大ヒットを記録。とりわけイギリスの名優アンソニー・ホプキンス扮するハンニバル像が絶大な人気を博した。そのため、以後に刊行された前作から10年後を描く『ハンニバル』、レクターの幼少から青年時代を描いた『ハンニバル・ライジング』はハンニバル主体の物語となっている。

これらの小説「ハンニバル」シリーズは、すべて映画化されている。映画を時系列で並べると、『ハンニバル・ライジング』(2007年公開)→『刑事グラハム/凍りついた欲望』(1986年公開・原作『レッド・ドラゴン』の最初の映画化)→『レッド・ドラゴン』(2002年公開)→『羊たちの沈黙』(1991年公開)→『ハンニバル』(2001年公開)という順番になる。

今回の『HANNIBAL/ハンニバル』は、ハンニバルが逮捕される以前の、ウィルと出会った頃の物語なので、『ハンニバル・ライジング』と『レッド・ドラゴン』の間に位置することになる。ただし、時代設定は現代で、厳密に整合性を検証するとキャラクター設定や事実関係にズレはあるが、広い意味では主に映画『羊たちの沈黙』の世界観を共有し、原作や映画に目配せする設定やエピソードを随所に散りばめながら、稀代の悪役ハンニバルを非常に洗練された形で現代によみがえらせることに成功している。

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