ドイツから見た「フクシマ後の日本」とは? SNSで日本は「多様な公共性」を創造できるか
「フクシマ後の日本の変化」への注目が継続
9月11~13日、ドイツ南部にあるエアランゲン-ニュルンベルク大学主催で、学術専門会議「災害、デジタル公共性、民主主義の未来」が開催された(国際交流基金支援)。中心になって会議の企画・運営を行ったのは同大学のシェーファー・ファビアン教授(シェーファーが名字)。同教授の専門は、日本メディア史・メディア哲学だ。
もちろん会議の背景にあるのは「2011年のフクシマの衝撃」だ。当初はドイツでも頻繁に報道され、脱原発への様々なムーヴメントにも大きな影響を与えた。2012年以降も「3.11」が近づくと、ドイツ各地で集会やデモが行われ、ある意味では、「日独の新しい結びつき」ができたともいえる。
日本でも、政府、大手資本、メディアの原発をめぐる姿勢に疑問を持つ人も多く、大規模なデモも発生したが、これがドイツを中心とする欧州の日本研究者の関心を高めている。
「水俣や安保闘争など、戦後は日本でも大きな社会運動があった。1970年代から比較的豊かな状態が続き忘れられかけたが、3.11以降は大規模な社会運動がおこった」(シェーファー教授)。
成熟した民主主義国家では当然の風景だが、近年の日本では目新しい光景だった。しかも阪神・淡路大震災で多くのボランティア活動がおこるなどり、人間関係のあり方が変わったが、3.11以降はさらに発展した」。
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