第5回 ドイツから考える、体罰が生まれない理由

数年前から、日本ではスマートなランニングウェアに身を包んだランナーが町を走る姿が増え、スポーツへの関心が高まっている。一方、高校の部活や柔道で体罰が大きな問題となっている。今回はドイツのスポーツの様子を見てみたい。

スポーツ大国の日常

例えば、日曜日の朝に筆者が住んでいるエアランゲン市内(バイエルン州、人口10万人)の室内プールに行くと、高齢者のグループが楽しそうに泳いでいる。
 平日の午後5時ごろ、ある小学校の体育館では小学生から高校生ぐらいの子供たちが器械体操の練習を始めている。午後7時すぎ、市内の柔道場では柔道着を着た10代から白髪の高齢者までの男女がそぞろに集まり、和気あいあいと話している。7時半からの練習時間になるとずらりと正座する。

職住近接・短時間労働だからこそ応援に行ける

金曜日の夕方、市内のサッカー場では子供たちの試合が始まっている。それほど多いわけではないが、我が子の試合を観に来た親たちがおしゃべりしながら、試合運びを見る。ゴールがはいれば手を叩いて喜び合う。

ドイツは老若男女が自分のレベルや目的にあわせて、多くの競技を楽しめる環境が各地域で整っている。
 このスポーツ活動の運営主体になっているのがスポーツ・フェラインだ。フェラインとは「協会」「クラブ」という定訳があるが、今日の日本の感覚でいえばNPO法人(特定非営利活動法人)と考えると理解しやすい(が、本稿では日本に紹介されてきた「スポーツ・クラブ」という訳を用いる)。

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