値下げもチラつかせた東電"大胆計画"の真贋

再稼働にも値上げにも頼らず再建できるか

発足当日に第1回会合を開催。経済産業省出身役員も参画、同省もオブザーバーとなる(撮影:大澤誠)

「コスト削減に天井があるとは考えていない。1銭でも2銭でも値下げしたいぐらいだ」──。東京電力の數土文夫会長はそう言い切った。大胆不敵ともいえる物言いは、それ相応の決意を感じさせた。

東電は9月4日、コスト削減の徹底を目的とする「生産性倍増委員会」を新設した。ここに来て合理化の加速が必要となったのは、今年1月に策定した再建計画「新・総合特別事業計画」(新総特)で前提としていた、柏崎刈羽原子力発電所の7月再稼働案が崩れたためだ。再稼働のメドはまったく立たず、計画練り直しが急務となっている。

「財務上の最大の難関」

一方、東電は2015年度に3000億円、16年度に1兆円に上る資金調達が必要で、「財務上の最大の難関」(數土会長)を迎える。金融機関との約束でもある新総特の収益目標を、安易に下方修正するわけにはいかない。

そこで、數土会長が主宰し、廣瀬直己社長ら役員に外部の専門家も加えた同委員会を設置。新総特で10年間累計4.8兆円としたコスト削減の上積み余地を検証し、12月に最終報告をまとめる。その際、電気料金の再値上げが必要かも判断するという。

「再値上げに対する世間の批判をかわすための単なるポーズではないか。努力姿勢を示すだけで、結局、収益目標達成は値上げに頼るのでは」。そんな見方もできるし、実際そうかもしれない。

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