それでも実写『ルパン三世』を作るワケ

監督&プロデューサーが語る「逆風覚悟の挑戦」

 1967年にモンキー・パンチが生み出した「ルパン三世」は、これまで劇場版、テレビスペシャルなど幾度となくアニメ化されてきた。その誕生から47年。世界中のファンに愛されてきた「ルパン三世」を実写化した映画『ルパン三世』が8月30日、全国東宝系にて公開が始まった。
 ルパン三世役の小栗旬を筆頭に、玉山鉄二(次元大介)、綾野剛(石川五ェ門)、黒木メイサ(峰不二子)、浅野忠信(銭形警部)、ジェリー・イェン、キム・ジュン、ニック・テイトなどそのキャスティングにも注目が集まっている。さらに撮影監督のペドロ・J・マルケス、音楽のアルド・シュラク、アクション監督のシム・ジェウォン&ヤン・ギルヨンなど世界各国で活躍する超一流のキャスト・スタッフが集結。無国籍アクションともいうべき『ルパン三世』の世界を彩っている。
 メガホンをとったのは『ゴジラ FINAL WARS』『ミッドナイト・ミート・トレイン』の北村龍平監督。現在、ハリウッドを拠点に活躍する北村監督にとって、日本凱旋とも言うべき作品となった。プロデューサーは、北村監督とは『あずみ』でもコンビを組んだ山本又一郎。彼は水島力也名義で本作の脚本も手がける。この二人に、『ルパン三世』の実写化という困難なプロジェクトをいかにして進めたのか、そして逆境に打ち勝つ秘訣について聞いた。
©2014モンキー・パンチ/「ルパン三世」製作委員会

できれば、こんな重いタイトルはやりたくなかった

――『ルパン三世』の監督に北村龍平監督が抜てきされたというニュースを聞いて驚いた人も多かったと思います。

北村龍平
(きたむらりゅうへい)1969年生まれ、大阪府出身。17歳でオーストラリアへ渡り、映画を学ぶ。長編第1作のバイオレンスアクション『VERSUS ヴァーサス』が世界の映画祭を席巻し、高い評価を得る。その後、『あずみ』『スカイハイ [劇場版] 』『ゴジラ FINAL WARS』など話題作を立て続けに発表。2008年には拠点をハリウッドに写し、『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』『ミッドナイト・ミート・トレイン』などを手がけ、ハリウッド、日本、アジアなどを股にかけて活躍している(撮影:今井康一)

北村龍平監督(以下:北村):僕は山本プロデューサーに絶対の恩義があります。彼は『あずみ』という大作映画に、当時、無名だった僕をいきなり抜擢してくれました。その時は、いろいろとクリエイティブな面での戦いはしましたが、最終的に2人が誇りに思えるような作品を作ることができた。だからこそ、彼に「日本に帰ってこい」と呼ばれれば、何も聞かずに「わかりました」と答えるわけです。

――それが『ルパン三世』だったと。

北村:すごいことを言うなと思いましたよ。しかし、そういった大胆な発想をして、それを実現させていくところに山本プロデューサーの大いなる魅力がある。監督は僕だと彼が思ったのなら、僕はそれに応えなければならない。わりとシンプルな理由でしたね。

――山本プロデューサーはなぜ『あずみ』に北村監督を起用しようと思ったのでしょうか?

山本又一郎プロデューサー(以下:山本):新人でも俺が選ぶ監督には絶対の力があると思っていますし、その力に惚れているから一緒に組みたいと思うだけです。だって北村龍平の『VERSUS ヴァーサス』という作品を見たら、誰だって心をつかまれますよ。

だから直接、話をしに行こうと思った。それこそもうアイドルの追っかけみたいになって、その日のうちに「一緒に飲もう、ご飯食べよう、酒飲もう、歌を歌おう」とね。で、その場でオファーしましたよ。「俺、『あずみ』を作るつもりだけど一緒にやらない?」とね。俺にとっては北村龍平がどういう人間であるかよりも、『VERSUS ヴァーサス』を作った人間であれば十分なんですよ。

――山本プロデューサーは北村監督に毎回のように試練を与え続け、今回は新たに『ルパン三世』という試練を与えたわけですが。

山本:これは僕にとっても試練です(笑)。

――監督にもプレッシャーがあったのでは?

北村:僕もできることなら、こんな重いタイトルはやりたくなかった。それは主演の小栗旬も含めて、みんなそうだったと思う。でも、それでもやると決めたのだから最大限にベストを尽くすしかない。完全にアウエーのところから始まっています。ただ、このチームで『ルパン三世』をやると決意したのなら、それがたとえ、絶対に勝ち目がないような試合であっても、絶対に負けられない戦いだと思っています。できれば背負いたくない十字架ですよ。でも、又さん(山本プロデューサー)が背負うんだよね、(小栗)旬が背負うんだよねと聞けば、「やります」と。その覚悟は瞬時に決めました。

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