英名門校「エプソム」がマレーシアへ来たワケ 英国のパブリック・スクールも進出中

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そんな中でとくに注目が集まったのが「最高の英国の教育をマレーシアで」というスローガンでオープンする英国の名門パブリックスクール、初の海外校となるエプソム・カレッジ・イン・マレーシアだ。

150年以上の歴史と伝統を誇る、「エプソム・カレッジ」のマレーシア校。場所はクアラルンプールの郊外、国際空港の近くにあるバンダー・エンステックで、二つある国際空港から10分ほどで到着する。英国式のカリキュラムで、シニアスクール(11歳〜18歳)とスモール・プレップスクール(3〜11歳)の両方が、2014年9月にオープンする予定だ。

英国の名門校というと、アジア最強の名門校として鳴り物入りで2012年ジョホール・バルにオープンしたマルボロ・カレッジもある。しかしエプソムのマーケティング&IRディレクターのネオ・スーン・ケン氏は「当校のほうが歴史も長く有名です。英国の本校は非常に人気も高く、ウエイティングリストは2年待ち」と胸を張る。

エプソムの英国本校は南イングランドのサリー州エプソムにある。英国の統一学校卒業資格である、IGCSE/GCSEの試験で、91%以上の生徒がA*/A-Bを取っているという実績がある。この実績は英国のシニアスクールの中でもトップ20に入るという。

エアアジアCEOが本校の卒業生

英国の伝統的な学校の特徴は、学問だけでなくスポーツや芸術も等しく学ばせる点だ。同校も例外ではなく、スポーツ、アート、音楽、ドラマなどにも力を入れる。また、英国本校との交換プログラムや共同でのアクティビティも考えられているという。

なぜマレーシアに開校したのか、と聞くと以外な答えが帰ってきた。「実はマレーシアを拠点とする格安航空会社、エアアジアのCEOである、トニー・フェルナンデスが1977年から1983年までエプソム・カレッジで学び、その後ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスを卒業しているOBなのです。彼との関係で、マレーシアに最初の海外校を作ることになったのです」(同氏)。

エプソムカレッジの広いキャンバスのミニチュアに見入る来場者たち。50エーカーの敷地にスポーツセンターや劇場などを備える

生徒は寮と通学の両方が可能であり、共同生活を通して家族的な雰囲気の中、学問やスポーツ、芸術を学ぶ。50エーカーの広い敷地に広大な校舎を建設。80もの教室と劇場、スポーツセンターやミュージックスクール、クリケット、ラグビー場なども備える。

シニアスクールで男女合わせて900人、プレップスクールで80人の生徒数を予定しているという。将来的にはさらに大きなプレップスクールをクアラルンプールに作る予定もあり、そこでは最終的には650人程度の生徒が学べることを目標にしているという。

気になる学費だが、学年により細かく違う。例えば、2014年入学の場合、Year1(小学校1年生)で年間4万6000リンギット(約146万円)、Year12&13となると年間6万8250リンギット(216万円)程度。このほかに寮生活をする場合は寮費がかかる。意外だが、ほかのマレーシアのインターナショナルスクールに比べて決して割高ではない。すでに日本人を含め100人ほどの登録者がいる。入学には試験が必要となり、これも年齢によって細かく違う。詳細は同校のホームページを参照してほしい。

野本 響子 ジャーナリスト

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のもと きょうこ / Kyoko Nomoto

東京都立青山高校、早稲田大学法学部卒業。安田火災海上保険(現損保ジャパン)を経てアスキー入社。『MAC POWER』(アスキー)、『ASAHIパソコン』『アサヒカメラ』(朝日新聞出版)の編集者を経て現在フリー。『僕がアップルで学んだこと』『企業が『帝国化』する』(ともに松井博著/アスキー新書)編集。著書に『いいね!フェイスブック』(朝日新聞出版)、『マレーシアの学校の○と× アジア子連れ教育移住の第一歩』(Kindle)ほか。1990年代半ば、仲良くなったマレーシア人家族との出会いをきっかけに、マレーシアの子育てに興味を持ち、現在クアラルンプール郊外に長期滞在中。趣味はオーケストラでの楽器演奏。

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