マック、カサノバ体制の"賞味期限"はいかに 客数減にチキン・ショックで通期予想は「未定」
「(上海福喜食品に)だまされた。私どもの責任として、お客様に品質の高い安全な食品をお届けしたい。そのための品質保証の見直しを進め、追加策も講じている」――。そんな言葉で1時間半に及んだ会見の最後を締めたサラ・カサノバ社長。その表情には、疲労と苦悩が色濃くにじんでいた。
日本マクドナルドホールディングスは7月29日、2014年度第2四半期(1~6月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比6.7%減の1210億円、経常利益は同56.7%減の32億円だった。2月に公表していた従来予想に比べ、それぞれ10億円(0.8%)、2.6億円(7.6%)の下振れとなった。
既存店は3.5%のマイナス
苦戦の主因は、外食産業にとって利益の源泉となる既存店の売上高減少だ。当初、今期は通年で前期比横ばいで想定していたが、ふたを開けてみると1~6月期累計で既存店売上高は3.5%のマイナスとなった。
期間限定で販売した「アボカドバーガー」「とんかつマックバーガー」や、4月に発売した「ビッグブレックファスト」などは好評だった。ただ、期初に投入した「アメリカンヴィンテージ」シリーズやサッカーW杯関連の期間限定商品が期待外れに終わった。
マクドナルドは、今回の第2四半期決算の発表に合わせて、14年度の通期計画も見直した。期初時点では、売上高を前期比4.0%減の2500億円、経常利益を同4.5%増の107億円と予想していたが、「未定」に改めた。
その最大の理由こそ、カサノバ社長が「だまされた」と言い放った案件。つまり、7月20日に中国メディアが報じた上海福喜製のチキンナゲットに期限切れの鶏肉が使われていた問題である。
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