京急がめぐらす、品川再開発の深謀遠慮 羽田―品川10分も夢じゃない?
田町―品川間の新駅建設が正式に発表されてから、一段と脚光を浴びることになった品川周辺の再開発。JR東日本による品川車両基地の跡地再開発がもっぱら世間の注目を集めているが、実は、周辺のまちづくりが完成した時に最も恩恵を受けそうな企業はほかにいる。京浜急行電鉄(京急)だ。
折しも、7月18日に東京都が品川周辺地区の都市計画の方向性を示す「(仮称)品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2014(案)」を作成したばかり。7月中にパブリックコメントを募集したのち、最終的なガイドラインが策定される予定だ。
このガイドライン案では、高輪台方面から環状4号線を延伸させて湾岸道路まで接続する構想や、首都高速の新ランプ建設の検討、品川駅と新駅とを結ぶ歩行者デッキの建設、高速バスの乗り入れを想定した北口駅前広場の整備などが、項目として挙げられている。2007年に作成された「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン」に比べて、内容は一層具体化した印象だ。
京急は、このまちづくりの対象地区内に路線(品川―泉岳寺間)を持ち、6万平方メートルの土地を有している。ガイドライン案に挙がっている具体的な計画の中には、当然ながら京急に関連する項目がいくつかある。
京急品川駅が2ホーム4線に
その1つが、京急品川駅の地平化だ。現在、京急線のホームは品川駅の2階に位置しているが、JRの在来線や新幹線のホームまで遠いうえ、段差もあるなど乗り換えに不便な点が多い。ところが、JR東日本の線路を再編(全体的に東寄りに移動)することで、現在山手線が走る付近のスペースが空く。そこに2ホーム4線の京急線ホームが誕生する計画になっている。
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