ワイモバイル、2980円のスマホ新料金で勝負

ヤフー連携で初心者獲得へ

 7月17日、ソフトバンク傘下で国内携帯電話第4位のワイモバイルは、8月1日からスマートフォン(スマホ)向け新料金プランを導入すると発表した。写真はソフトバンクのスマホを購入しようとする人たち。2012年10月撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 17日 ロイター] - ソフトバンク<9984.T>傘下で国内携帯電話第4位のワイモバイル(旧イー・アクセス、東京都港区)は17日、スマートフォン(スマホ)向け新料金プランを8月1日に導入すると発表した。

1回あたり10分以内の国内通話を月300回まで無料とし、ニーズに応じてデータ量を2980円から選べるようにした。低価格と知名度の高いヤフー<4689.T>との連携を前面に打ち出すことで、スマホへの乗り換えをためらっている初心者を獲得したい考えだ。

毎月の基本使用料は契約データ量で差をつけ、1ギガバイトが2980円、3ギガバイトが3980円、7ギガバイトが5980円の3種類を用意。NTTドコモ<9437.T>、KDDI(au)<9433.T>、ソフトバンクモバイルの大手3社のもっとも安いプラン(データ量2ギガバイトで通話定額込み6500円)よりも大幅に安くした。

会見したエリック・ガン社長は「3社の最低スマホ料金は6500円スタートで一緒。よくワイモバイルはソフトバンクのグループ会社と言われるが、3社がグループになっている。ワイモバイルは別のグループだ」と大手3社を皮肉るとともに、「初めてのスマホユーザーにとっては、われわれの料金は良い選択肢になる」と述べ、競争に自信をのぞかせた。

8月1日からは「イー・モバイル」と「ウィルコム」のブランドを「Y!mobile」に統一、ヤフーブランドを前面に打ち出す。これに伴い、ヤフーとの連携も強化。ヤフーのトップページにログインするとマイルが貯まるサービスを始めるほか、ユーザー向けのストレージサービスなども充実させる。マイルは実績に応じて、無料でデータ量と交換できる。

国内携帯電話市場をめぐっては、大手3社の寡占化により料金競争が起きにくくなっている。総務省は携帯電話会社から回線を借りて通信サービスを展開する仮想移動体通信事業者(MVNO)が参入しやすい環境を整えることで競争を促進させたい意向で、すでにイオン<8267.T>などが格安スマホサービスを提供している。

エリック・ガン社長はMVNOとの差別化について「中身を見てみると、速度が遅いなどいろいろな制限が入っており、説明がわかりづらいところもあるのではないか。われわれは2980円で速度制限はない。電話も1回10分300回でわかりやすい」と違いを強調した。

2014年の情報通信白書によると、国内のスマホ普及率は53.5%と全体の半数にとどまっており、「思ったほど伸びていない」(大手携帯電話会社)のが現状。この背景には利用料金の高さやわかりにくさもあるとみられ、ワイモバイルはそういったハードルを下げることでスマホへの移行をためらっているユーザーを取り込みたい考えだ。

ワイモバイルの契約者数は3月末現在で約1000万件。エリック・ガン社長によると、このうちスマホユーザーは約100万件。ワイモバイルの新戦略については、親会社であるソフトバンクとのカニバリゼーション(共食い)を予想する向きもあるが、大手3社のフィーチャーフォン(従来型携帯電話)ユーザーを取り込むことができれば、ソフトバンクの収益にとってプラスに働く可能性もある。

ワイモバイルはイー・アクセスとPHS事業者のウィルコムが6月に合併して発足、7月1日付で現在の社名に変更した。当初はヤフーが合併新会社の株式をソフトバンクから買い取り携帯電話事業に参入する計画だったが、5月に撤回を発表、協業に切り替えた経緯がある。

 

(志田義寧 編集 内田慎一)

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