ヤフー、「シリコンバレー現法設立」の算段 米ヤフーのお膝元でベンチャー企業を青田買い

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月間565億ページビュー(2014年1~3月期)と、ポータルサイトでは日本で圧倒的な存在感を誇るヤフーだが、個別のサービスではユーザーを驚かすものは少ない。加えて、「フェイスブックやツイッターなど、世界一流のサービスと上手く手を組むことできなかった」(坂本氏)という反省もあった。その弱点を克服するために設立したのがYJ Americaなのだ。

YJ Americaはソフトバンクのシリコンバレーオフィス(写真)に入居する予定だ

YJ Americaは専任2人の体制で始動する。坂本氏とともに船出を担う人物は、宮坂学・ヤフー社長が掲げた海外企業との連携戦略「プロジェクトDEJIMA(出島)」によって、2012年からニューヨークに長期滞在してスタートアップ企業の開拓を進めていた知久俊明氏だ。

知久氏は大学卒業後、金融会社とコンサルティングファーム、検索広告の最大手企業を経て、2008年ヤフーへ入社。オープン戦略を担う部門の戦略・企画責任者、広告部門のプロダクトマーケティング責任者として米ヤフーやグーグルといった海外ソリューションの導入と運営に従事してきた。

米国に長期滞在中は、日々現地のスタートアップ企業と会い、ヤフーとの提携開拓を推進してきた。「事業とプロダクト、両面での造詣が深く、またヤフーの中で最も米国のビジネスを知りえている人物」(ヤフー広報部)。知久氏が進めてきたプロジェクトDEJIMAは今後、YJ Americaが引き継ぐことになる。

投資活動が目的ではない

基本は2人体制だが、ヤフーから兼務出向する3人が副社長を務める。サポート要員もいる。親会社ソフトバンクのベンチャーキャピタル子会社であるソフトバンクキャピタルや、米国有数のベンチャーキャピタルである500スタートアップスが、YJ Americaの運営を側面から支援していく予定だ。

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