惜しい!「半沢直樹」後継番組がズレている

「ルーズヴェルト・ゲーム」が中ヒットなのは必然?

日本のテレビには「戦略」が足りない? 日本放送協会(NHK)からコロンビア大学MBA、米国の大手テレビ局と歩んできた佐藤智恵さんが、日本のテレビをもっと面白く、強くするための戦略について、経営の観点も交えてつづります。 

 

「半沢直樹」と同じ制作スタッフに、同じ原作者。そして、香川照之さんや石丸幹二さんなど、「半沢直樹」に登場した俳優が続々登場。さすがに堺雅人さんは出演しないが、代わりに、唐沢寿明さんと江口洋介さんという「白い巨塔」コンビが主演・助演を務める。

「ルーズヴェルト・ゲーム」は放送前から、「半沢の成功、再びなるか?」と注目されてきました。

ところが、第5回までの視聴率は、13.9%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。もちろん、第5回(5月25日放送)で視聴率がぐんと上がり、ドラマ自体は上り調子ですから、ルーズヴェルト・ゲームさながら「大逆転」も期待されています。ここまでの平均視聴率も、今期では十分高い数字であり、通常であれば「合格点」と言えそうなのに、何十年に1作出るか出ないかという高視聴率番組「半沢直樹」の後継番組なので、分が悪いのは確かです。同じ枠での放送でドラマのテイストも同じですから、どうしても比較されてしまいます。

筆者は、このドラマを「半沢直樹と似て非なるもの」だと思って見ています。

「半沢」と「ルーズヴェルト」の決定的な違い

監督やスタッフが同じなので、アップの多用や、照明の当てかた、画面の切り替えで「太陽」を使うなど、全体的なテイストは「半沢」と同じなので、「半沢とそっくり」と言われますが、設定から展開まで、ドラマの根本は、まったく別ものです。

最初に、豪華出演陣と大ヒット番組の制作スタッフ、人気作家による原作は、ある程度の視聴率を保証しますが、それが大ヒットの要因だとは言えないということは、アメリカのドラマの視聴率が物語っています。ご存じのとおり、アメリカのドラマは、日本の十倍以上の製作費をかけて制作されますから、そのほとんどが、「あのヒットプロデューサーと制作陣が手掛けた……」という作品ばかりです。ところがそうした作品でもシーズンの終わりを待たずに打ち切りになってしまうものが山ほどあります。

「ルーズヴェルト・ゲーム」と「半沢直樹」には、野球の要素が入っているか入っていないかという大きな違いがありますが、野球の部分を抜いて考えると、その決定的な差は、主人公の「職位」です。

半沢直樹(堺雅人):中間管理職
細川充(唐沢寿明):社長

2人とも「正義」を通していくのは変わらないし、後半にどんでん返しが起こる構成も健在です。ところが、「社長」を主人公にしたドラマは、残念ながら、高視聴率が望めないのです。

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