「むちゃ振り」が、自分と相手を強くする "むちゃ"から生まれる、大きな縁

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 「大学1、2年のときにやっていたことで就活に役立ったことは? 」。若手社員に、そう尋ねたことに対して(就職ジャーナルbyリクルート)、

《アルバイト先で上司からのむちゃ振りに対応していたことで、面接担当者からの質問にも、即座に切り返せるくらいの力が身に付いた》

という回答を見つけました。ちなみに「むちゃ振り」とは、困難な仕事を相手に無理やり頼むこと。あるいは返答に困る話題を投げかけること。お笑いコンビで、相方に無理難題を押しつけられて、「むちゃ振りすぎますよ」と苦笑いしながら、戸惑っているような場面で耳にする言葉かもしれなせん。

職場にあふりれる「むちゃ振り」

ただ、職場でも仕事を「むちゃ振り」される場面はあふれています。ちなみに当方は前職時代に社員総会で突然、壇上に呼ばれて、「一言お願いします」とマイクを向けられ、上司の代打で上場企業の社長にあいさつをさせられた経験があります。そんなことが続き、だんだんとむちゃ振りをされることに慣れてしまった気がしますが、実際、そんなむちゃ振りはどこの職場でもあるもの。

社歴が長くなれば、急にむちゃ振りで振られても、戸惑うことは徐々に減っていくものかもしれません。たとえば、取材した広告代理店のケース。営業課長と部下のBさんの間では、

「営業キャンペーンの事務局を任されることになったので、今日から手伝ってほしい」

「えっ、今日からですか! ずいぶん急ですね。で、私は何をすればいいんですか?」

「全体のサポートをしてもらえれば、それでいいから」

「全体って……」

このようなむちゃ振りトークがされていました。こうしたむちゃ振りは日常茶飯事で、Bさんも大きな驚きはなかった様子。

ところが、この割り振られた仕事は、予想以上に大きなボリュームのものでした。日報の作成から全体の仕切りまで、とてもサポートなどとは呼べない、事務局自体を任されてしまったようなものだったのです。

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