自動ブレーキも対象、安全性能評価は広がるか

欧米ではメーカーの開発方針を左右

衝突試験後のホンダ・アコードハイブリッド

上級車だけでなく軽自動車まで普及が拡大する自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)。車種ごとに特定のグレードに限られていたり、オプション装備になっていたりするものの、各メーカーの装着率は半数以上と高く、購入者からの人気も上々だ。

その自動ブレーキなど予防安全装置の性能を評価する制度「予防安全性能アセスメント」が、4月からスタートした。一口に自動ブレーキといっても、用いる技術の違いなどにより、性能や価格は大きく異なっている。予防安全性能アセスメントによって、それらを横並びで比較しやすくなる。自動ブレーキに注目した車種選びに役立ちそうだ。

予防安全性能アセスメントは、国土交通省が所轄する独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が実施している自動車の安全性能評価「自動車アセスメント」(JNCAP)の強化策の1つとして、新たに取り入れられた。自動ブレーキに加え、車線逸脱警報装置(LDWS=レーンデパーチャーワーニングシステム)の性能を評価する。

総合評価と分けて10月に公表

自動ブレーキの性能は32点満点、LDWSの性能は8点満点で採点、その合計点を予防安全性能の総合得点とする。配点の条件は細かく定められており、自動ブレーキでは、対停止車両の場合は時速50キロメートル、対走行車両(時速20キロメートル)の場合、相対速度時速60キロメートル(自車の走行速度80キロメートル)で衝突を回避できれば満点だ。基本的に、衝突が回避できる速度(対象物との相対速度)が高ければ高いほど高得点になる仕組みとなっている。

NASVAでは、これから順次、評価対象車を調達して試験を実施。10月をメドに一定車種分の評価をまとめたうえで公表する予定だ。評価の対象とする車は、従来から行っているJNCAPと同様に、代表的な新型車のうち最量販のグレードから選ぶ。評価を上げるためにメーカーが特別のチューニングをしないよう、基本的に覆面で一般の販売店で購入する。メーカーが評価を取りたい車両を持ち込むケースもあるが、この場合も複数車両の中から任意で選ぶ仕組みで、メーカーによる操作を防ぐ。

予防安全性能の評価項目も拡充していく。2015年度から、周辺視界報提供装置(アラウンドビューモニターなど)、2016年度からは歩行者に対する自動ブレーキ、車線逸脱防止装置(LKAS)、夜間歩行者警報装置の評価が追加される予定だ。

予防安全性能の評価は当面、従来のJNCAPで行ってきた衝突安全等の安全性能総合評価とは分けて公表する。予防安全については、まだ新しい技術で評価経験もないためだ。ただ、衝突安全性能と予防安全機能がそれぞれ事故被害を軽減する効果を勘案したうえで、いずれは総合評価の中に統合していく方向だ。

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