名古屋マラソン大会で介護タクシー巡る疑惑

国際マラソン大会の救護態勢に数々の問題が判明。

過去最多の1万4675人が走った名古屋ウィメンズマラソン。レースの裏で救護体制に不安が

3月9日開催の「名古屋ウィメンズマラソン」。歴代の五輪メダリストも出場した名古屋国際女子マラソンを2012年に衣替えし、国際レース基準を満たしながら一般にも参加枠を広げている

男子も出場できる「名古屋シティマラソン」や車いすマラソンを含め、3月の3日間は「マラソンフェスティバルナゴヤ・愛知」として定着した。しかし、街を挙げての華やかなイベントの裏で、ランナーの命にもかかわりかねない、ずさんな医療救護態勢が浮かび上がった。

救護車の実態とは

「救護」と印刷されたピンク色の布。大会開催中、公道を走り回っていた救護車に掲げられていた表示だ。問題なのは、この救護車だ。

「普段は『介護タクシー』として主に要介護のお年寄りを自宅から病院などに送り届けている。マラソン大会には昨年から声を掛けられて出ているが、応急手当の講習などは受けたことがない。こんな事業者でもよかったのかと今でも心配だ」

愛知県内のある事業者はこう打ち明ける。

「介護タクシー」とは車いすやストレッチャーでも乗り込めるタクシーの通称。道路交通法に基づき、「福祉輸送事業限定」の一般乗用旅客自動車運送事業として各地方運輸局長が許可を出す。乗せることができるのは障害者手帳を持っている障害者や要介護認定者、単独でタクシーに乗ることのできない肢体不自由者などに限られている。ただし例外として「消防機関または消防機関と連携するコールセンターを介して、患者等搬送事業者による搬送サービスの提供を受ける患者」が認められている。

「患者等搬送事業者」とは、東京消防庁の主導で全国に広まった制度で、救急車が出動するほど緊急でない患者を民間車両がカバーする目的のため「民間救急」とも呼ばれる。サイレンがない以外は公的な救急車とほとんど変わらない「医療系」の車両のほか、介護タクシーも事業者が応急手当などの講習を受けたうえで各地の消防本部から認定を得て「福祉系」の民間救急車として活動している。

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