1980年代から日本映画はどう変わったのか

大森一樹監督が語る映画人生と銀幕界の変遷

  1980年代以降の日本映画を牽引してきた映画監督が、自作の中から上映作品を選定する「自選シリーズ 現代日本の映画監督」第2弾企画に大森一樹監督が登場。3月18日から3月30日にかけて、12のプログラムが東京国立近代美術館フィルムセンターで上映される。
 1975年の自主映画「暗くなるまで待てない」で注目を集め、オリジナル脚本「オレンジロード急行」の城戸賞受賞をきっかけに商業映画デビュー。医師免許を持つ映画監督という異色の経歴を持つ大森監督は、その後も職人監督として、松竹、東宝、東映、角川映画と各社で数多くの話題作を生み出した。今回のプログラムでは、デビュー作から近作まで、大森監督が歩んできた足跡をたどることで、1980年代以降の日本映画史が垣間見える内容となっている。
 今回は、初のレトロスペクティブ(回顧上映)を行うこととなった大森監督が自作について振り返った。

――今回、大森監督にとっては初となる、本格的なレトロスペクティブとのことですが。

やはり1980年はわれらの時代という意識があって。そこから日本映画というものが、いろんな意味ですっかり変わってしまいました。そんなときに、80年代の映画に光を当ててもらえるのは、すごくありがたいことですよね。

――大森監督は、撮影所育ちではなく、自主制作というフィールドから映画監督に転身したという経歴をお持ちですが、監督のフィルモグラフィを振り返ると、プログラムピクチャー的な、ウェルメイドな作品を数多く手掛けているのが面白いなと思いました。

自分で言うのも何ですが、あの頃の映画って面白いですよ。いいか悪いかは別として、サービス精神がたっぷりで。とにかくお客さんを飽きさせないために、最初から突っ走っていますよね。時には息切れしてしまうときもありますが(笑)、そういった80年代のリズムってあるんですね。

――今回のプログラムは、監督自選とのことですが。

自選と言っても、これが難しいんですよ。それこそ本気で選んだら、DVDにもなっていなくて、あまり見られないようなマニアックなものを選びたくなるんですが、スタッフからもこれはやらなきゃ駄目とか、いろいろ言われるわけですよ。そういう意味では今回、村上春樹からゴジラまで、両極端な世界ブランドの作品がバランスよくそろっているのが、面白いなと思っているんですけどね。

――それこそ斉藤由貴主演の『恋する女たち』はないのかと思ったり、吉川晃司主演作なら『すかんぴんウォーク』も見てみたい、なんて思ってしまうのですが。

そこは自薦にこだわったところです(笑)。フィルムセンターの一押しは『恋する女たち』だったんですけどね。

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