現在、全国公開中のディズニー映画『アナと雪の女王』が大ヒット街道を驀進中だ。先頃行われたアカデミー賞では「長編アニメーション賞」「主題歌賞」をダブル受賞。全世界では約10億7200万ドル(3月31日付・BOX OFFICE MOJO調べ)の興行収入を突破、『トイ・ストーリー3』を抜いて歴代アニメーション興行収入第1位を記録するなど、社会現象を巻き起こしている。
日本でもファミリー層を中心に、幅広い年齢層を動員。公開3週目にして早くも興行収入60億円を突破した。この日本での大ヒットを受けて、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるアンドリュー・ミルスタインが緊急来日。ディズニー長編アニメーションの再建に深くかかわった彼は、社風を従来のトップダウン方式から、徹底した現場主義体制に大改革。近年のディズニー・アニメーション快進撃の礎を作り上げたキーパーソンだ。
今回は、そんなミルスタインに、本作がヒットしている理由について聞いた。
いろんな要因が重なった
――アンデルセンの『雪の女王』を原作としたこの映画は、ある種、ディズニー・アニメーションの王道的作品のようにも感じられます。本作を制作した経緯を教えてください。
われわれにとって過去の名作や、ディズニー・アニメーションの伝統というものは、あくまでもそこからインスピレーションを得て、現代の作品を作るという土台の部分であることは間違いない。しかし、だからといって、過去の名作を意識して、王道っぽくしようといった意図はまったくないんだ。単に、テーマ、キャラクター、音楽、ビジュアル、すべての点で過去の名作を思わせるような、王道ともいえるクラシックな作品に出来上がっただけだと思う。とはいえ、主人公が人間としての弱点を持っていたり、ひねりがきいたストーリーがあったりと、非常に現代的なところもあると思う。
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