だから『アナと雪の女王』は大ヒットした ディズニー・アニメーション幹部が語る快進撃の理由

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――全世界はもちろんのこと、日本でも大ヒットしています。このヒットの要因をどのように分析していますか?

これだけのヒットにつながったのは、さまざまな要素が混ぜ合わさってのことだが、その理由のひとつとして、誰もが共感できるような普遍的なテーマがあったからだと言えるだろう。非常に魅力的なキャラクターがいる。ビジュアルだって魅力的だ。彼女たちがたどる旅路も、心の琴線に触れるものがある。ストーリー自体も非常にユニークでオリジナリティあふれるもので、先が読めない。そういった驚きに満ちた新鮮なストーリーラインがあって、さらにそこにすばらしい音楽がある。そうしたことがエンターテインメント性を盛り上げているのだと思う。世界中でこの映画が愛されているのは、そういったさまざまな要素が重なっていたからじゃないかなと思っているよ。

ディズニー作品は吹き替えを重視

――日本では、松たか子さん、神田沙也加さんらによる日本版声優の評価が非常に高く、それもヒットを後押ししている要因のひとつだと思います。ディズニーが、アメリカ以外のローカル戦略に力を入れていることは、よく知られているところですが、その点について、どのようにお考えでしょうか?

わたしたちの会社では「ディズニー・キャラクター・ヴォイス・インターナショナル」という、各国の吹き替え戦略を担当する専門の部署を持っている。そこでは、世界各国の市場に合わせて、各キャラクターを演じるのにピッタリなタレントや俳優、声優たちを厳選するエキスパートが集まっているんだ。自分はあいにく英語しかしゃべれないので、私はそこには直接かかわっていないけれど、そこにいる専門家たちが、各国でピッタリなキャストを探してきてくれるというわけなんだ。

――ローカライズで日本版を作る利点は?

やはりそれぞれの国の母国語で直接的に届けられることが大きい。感情表現も含めてね。字幕だと、どうしても細かいニュアンスが失われてしまうからね。やはり自分の母国語ならば、しっかりと受け取れることができる。そこが大きいと思う。

――ディズニーが世界で人気なのも、そういったところに秘密があるわけですね。

やはり100パーセントの形で作品を楽しむためには、吹き替え版じゃないとだめなのかなとも思う。おっしゃるとおり、世界中でディズニー・アニメーションが愛され続けられるのは、吹き替え版を積極的に作る努力をしているというのが、大きな理由のひとつだと思う。

――ところで日本のマーケットをどのように見ていますか?

歴史的に見ても、ディズニー・アニメーションは日本で非常に人気が高かった。日本にはディズニーファンがたくさんいるということはわかっているし、そういう意味でも日本はとても大切なマーケットであることは間違いない。伝統的に日本はディズニーにとって大きな位置づけを占めているんだ。

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