利権化する「エコ」 潤う環境予算のウラに深い闇

利権化する「エコ」 潤う環境予算のウラに深い闇

環境ジャーナリスト 服部美佐子

 新政権による公共事業の削減に大揺れの国土交通省を尻目に、環境省には「エコブーム」の追い風が吹く。鳩山政権になって10月に見直された2010年度の概算要求は2163億円と、麻生政権の当初予算と同額。温暖化対策の予算は逆に増え、「エコバブル」の様相だ。

エタノール製造施設は実は開店休業

大阪府内のあるガソリンスタンド(GS)。大阪府の橋下徹知事がカードを持ってほほ笑む、のぼりが並ぶ。のぼりには「E3」と白抜きした緑の車と「いい!スリー」の文字。廃木材から作ったバイオエタノールを3%ガソリンに混合した「E3」の販売スタンドだ。

だが1時間見守ったが立ち寄る車はない。店主が言う。「うーん、少ないね。1日20台程度か。知事がPRして去年は一時は増えたが、また減った」。大阪府から「E3普及のため協力してほしい」と要請を受け、給油タンクの一つを振り向けた。

E3の購入者は府が作ったカードを入力機に差し込む。誰がどれだけ給油したかを把握できる仕組みだ。今の1日20台では大赤字。店主が明かす。

「協力する代わりに府から相当のカネをもらっている。それがなければ引き受けん」。

環境省が二酸化炭素を減らす切り札として考えたのがE3ガソリン。ゼネコンなどでつくる「バイオエタノール・ジャパン・関西」は、環境省から半額分の補助を受け、大阪府堺市に総額約40億円かけてエタノール製造施設を造った。それを岡山市の精製業者がガソリンとブレンドしてE3にする。

この「エコ燃料実用化地域システム実証事業」は、07年度から5年間の予定で環境省から府に委託、07年度7億円、08年度12億円、09年度10・8億円の予算が充てられている。

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