爆発人気「ことりっぷ」が変える女子旅の常識

業界の常識は、女子の”非常識”!

蛍光色の文字やカラフルなイラスト――。派手な表紙が競うように並ぶ旅行ガイドの売り場に、“地味さ”ゆえにヒットする、異色のガイドブックがある。昭文社の『ことりっぷ』は、2008年の発売から約5年間で累計900万部を販売。いまや20~30代の旅好き女子に、存在を知らぬ者はいない。
装丁、内容とも、旅行ガイドの定番から大きく逸脱する『ことりっぷ』が支持される理由とは。生みの親である菊地由香ブランドマネージャーに聞いた。
『ことりっぷ』の菊地由香ブランドマネージャー

――『まっぷるマガジン』と同じ出版社から出ているとは知りませんでした。全然、違う世界観ですよね。

そうですね。『まっぷるマガジン』のように、スペースの許す限り1件でも多く物件を紹介しようというのが、ガイドブックの一般的な考え方です。そのほうがお得感がありますよね。

ただ、1回の旅行でこれだけの情報量を、はたして使い切れるのでしょうか。実は、逆に情報量が多すぎて選べないとか、見ただけでお腹いっぱいとか、特に女性のユーザーからはそういう声が多いのです。そこで、『ことりっぷ』では、あえて情報を絞り、余白を多く作っています。

余白を作るのには、皆さんが自分でメモできるようにする目的もあります。紙も、鉛筆やマーカーが乗りやすいものにしています。『まっぷるマガジン』のようなつるつるした紙では、インクをはじいてしまうので。

観光客丸出しは、恥ずかしい?

――『ことりっぷ』は正方形のような小型サイズが特徴的です。旅行ガイドとしては、この判型自体、珍しかったのではないですか? 今はいくつかのシリーズを見掛けるようになりましたが。

ええ。企画段階では、「なぜ定番のサイズから変える必要があるのか」と、けっこう社内で物議を醸しました。ただ、女性にアンケートを採ると、従来の旅行ガイドに対する不満がたくさん出てくるのです。

まず、A4サイズでは大きすぎてバッグに入らないというのです。化粧品とかペットボトルとか、女性はなにかと荷物が多いですよね。そんな中で持ち歩いてもらうためには、ガイドはもっとコンパクトでないと難しい。それで、『ことりっぷ』では思い切って、今までにない小さい判型にしました。

また、普通の旅行雑誌は「大阪」とか「鎌倉」といった表紙の見出しが蛍光色ですよね。その周りに観光名所や名産品の絵や写真があふれていて。そうやってとにかく目立つ表紙にするというのが、旅行ガイドの定番なのです。

ところが、これもアンケートを採ると、「こんなに派手なガイドを持って歩くのは恥ずかしい」という声が多く聞かれました。

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