後編 遺言者が自分の思いを伝えながら最適の配分を示す

これからの相続に大切なのは「愛情」

前回は、スムーズな遺産分割を実現するために「遺言書」が重要だとお話ししました。
 とはいえ、遺言書を作成する目的が単に争いの回避を目的とすると、遺言書の価値が薄れてしまうと思います。

財産の承継というと、世間では親族間の争いや兄弟間の諍いなどがクローズアップされがちです。しかし、相続とは本来、ご自身が築き上げ、守ってきた財産を、思いを込めて次世代に承継していくということです。

これからの相続を乗り越えるパワーの源泉となるのは、争いの回避ではなく、「愛情」や「思いやり」といった要素ではないかと考えます。ですから、遺言書を作成する際には、遺産の分割についてだけでなく、なぜそのようにしたのかというご自身の思いを書くことをお勧めします。

これによって、遺言者がどのようにその財産を残したいのかという意思が相続人の方々に伝わります。遺言者が自分の思いを伝えながら最適の配分を示すことによって、相続人全員の納得を得ながら、円滑に承継することにもつながります。争いの回避は、あくまでその結果としてもたらされるものではないでしょうか。
遺言書から相続トラブルを連想される方がいらっしゃるかもしれませんが、ぜひポジティブな意味で遺言書の作成を考えていただきたいと思います。

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