第6回(最終回) 担当課長に活躍の場を!

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役職定年制から役職任期制への移行

およそ2社に1社の割合で「役職定年制」という仕組みが導入されている。一定の年齢  (55歳など)になったら、課長職、部長職を後進に譲る制度である。
「55歳過ぎたら定年退職に向けてクールダウンしてください」ということだが、会社人生はまだ10年ある。
 会社としては、これまでは定年退職まであと5年なので、「それなりに頑張ってもらえればまあいいか」というところだったが、更に5年雇用延長となると、それに見合った仕事・給与を確保できない企業は大変である。
 よく似た制度で「役職任期制」がある。これは成果主義人事の趣旨に合致した、役職定年制に代わる制度として、注目を浴びたが、あまり導入は進まなかった。
要は、「年齢」という文句のつけようがない絶対基準から、「成績」を見て役職位を外すという高度な人事マネジメントをやりきることが困難と判断したからだ。

著者はクライアント企業に対して、管理職級人材の活性化策のひとつとして「役職定年制」と「役職任期制」との併用を提案している。
 例えば役職定年を少し早めて50歳にし、それ以降は2年程度の任期制(更新制)にする。
 2年毎に新しい候補者との入れ替えを検討し、例え一度責任者ポストを外れても象徴的な復活人事を行う。
 社員は新しく導入された人事制度をいきなりは信用しない、その制度がどのように運用されているかを見ている。「管理職外れても復活は可能だ」といくら喧伝しても事例がなければ絵に描いた餅と見なされ、制度改定がかえって社員の不信をあおることになりかねない。

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