(その1) 強い組織創りのヒントは、「宗教」にあり
3年で売上高が50倍に
岡島:それでは次に、LINEのほうに移りたいと思います。私が知る限り、LINEはこの3社の中では最も軽い経営組織を目指していらっしゃるのではないかなと思うのですが、そこも含めて教えていただいていいですか?
森川:そうですね、僕たちの会社のこれまでの経緯を簡単に説明します。
もともと僕が入ったのは2003年で、当時は30人くらいの会社でした。最初はハンゲームというゲーム事業をやっていまして、ゲームとネイバーという検索の会社が合併して、2003年にNHN Japanになりました。その年から僕はゲーム事業の責任者をやって、そこから2005年ぐらいまで急成長したんですね。
僕が役員になって、2007年から社長をやっているんですが、急成長して年間の売り上げが2億円から3年で100億円くらいに上がったんですよね。それで大量に採用しましたが、どうしても長い人が逆にそれで落ち着いちゃったというのがあって、僕が社長になった時にまず社員の給料を全部リセットしました。(勤続年数が)長い人も短い人も。
岡島:勇気ありますね!
森川:けっこう大変でしたけれどね。それと翌年にもうひとつやったことがあります。僕たちの会社は外国人が多かったんですが、日本はやっぱり世界的にみても賃金が高くて、賃金が高い国でやるのはクリエイティブじゃないといけないということで、オペレーションとクリエイティブに分けて、オペレーション業務を中国と福岡に持っていきました。
それからNAVERというインターネット検索サービスを立ち上げて、そしてライブドアが一緒になって、翌年3社が統合しました。そんな中で立ち上がったのがLINEです。すさまじく変化をしていく中で、人もかなりダイナミックに入れ替わって、多分一番長い人は、僕ともう数人ぐらいしかいないはずです。それぐらい、すごく目まぐるしく変わってきたんですよね。
あとはあまり管理をせずに、サッカー型っていうんですが、ストライカーみたいに、ドリブルでシュートまで持っていけるような人に球を任せるような、そんなやり方をしていますね。
岡島:ある意味理想的な感じかなと。あまり管理しなくてもいい、もしかしたら経営はあまり色々やらなくてもいい。むしろ、すごくやっているのは、経営リソースの再配分みたいなものでしょうか。一番できる人が一番いいところで働いているみたいな、そんなことをやっている感じですよね。