長友佑都の肉体改造支えた「究極食事法」の秘密 体脂肪を燃えやすくする「ファットアダプト」

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いまは20代のときよりもコンディションがよく、試合でも90分を通して高いパフォーマンスを発揮できている。糖質と脂質を適材適所で偏りなく使えるようになったのだ。

まるで燃費が悪くて足回りもイマイチだった古めかしいセダンが、ガソリンでも電気でも走れるハイブリッドのスポーツカーに一気に進化したような感じ。僕にとってのブルーオーシャン(未開拓の市場)は食事だったのである。

ファットアダプトの威力を知っていたら、僕はプロになった瞬間から実行していただろう。

もしもプロ1年目からファットアダプトを実践していたら、いったいどうなっていただろう。そんな想像をすることもある。それ以前の食事法でもインテルで普通にやれていたわけだから、スペインのリーガ・エスパニョーラの強豪レアル・マドリードに入って世界を驚かせるような活躍ができたかもしれない。真剣にそう思うときもある。

自らの歩んできた道に一片の後悔もない。ただ、思わずそういう想像をしたくなるほど、ファットアダプトの効果はすばらしい。

運動する人、しない人にも有効な食事法

僕はファットアダプトを2年近く続けてきた。その経験で本当にいいものだと実感したからこそ、今回ファットアダプトの本を出そうと決意した。

『長友佑都のファットアダプト食事法 カラダを劇的に変える、28日間プログラム』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

誤解しないでほしい。ファットアダプトは僕のようなサッカー選手、あるいはアスリートだけに適した食事法ではない。

子どもにも大人にも、男性にも女性にも、そして運動をする人にも、しない人にも有効だ。フィジカルもメンタルも最高のコンディションに整えてくれる。

僕ら一人ひとりは遺伝子レベルで体質が異なる。だから僕のやり方が、万人に100%無条件にマッチするわけではない。ただこれまで2年近くの経験、ドクターが示してくれる数々のエビデンス(科学的根拠)から、ファットアダプトのベースとなる発想に間違いはないという自信がある。あとはそれぞれの体質や生活習慣に応じ、柔軟にアレンジしながら食生活に取り入れてほしい。うまく行けば1カ月で変化が自覚できるだろう。

僕が身をもって経験したように、食事が与える影響は想像以上に大きい。

食事で心身が整えば、一人ひとりがそれぞれの夢により近づけるに違いない。夢が現実的な目標になり、目標を一つひとつクリアしていくうちに、人生はいま以上に豊かになる。ファットアダプトでそのお手伝いができるとしたら、著者としてそれ以上の喜びはない。

長友 佑都 サッカー日本代表

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ながとも ゆうと / Yuto Nagatomo

1986年愛媛県生まれ。2008年にJリーグ・FC東京でプロデビュー。2010年にイタリア・セリエAのACチェゼーナに移籍。さらに、2011年1月には名門インテル・ミラノへ移籍し、7年間在籍した。その後トルコのガラタサライSK、フランスのオリンピック・マルセイユを経て、2021年、FC東京に復帰。2022年カタールW杯で、日本人史上初となる4度目のW杯出場を果たした。

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