二日酔いがひどくなる
新年会でちょっと一杯。飲む量をほどほどにしたはずなのに、翌朝、吐き気や頭痛、倦怠感などに見舞われる。以前飲んだときには、二日酔いにならなかった量でも、翌朝の体調が悪化する。こんな状態が、冬場に起こりやすい。
そんな二日酔いに対して神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科の谷口英喜教授が警鐘を鳴らす。
「飲酒による二日酔いは、単に体内でアルコールによって生じるアセトアルデヒドという有害物質が、頭痛などの症状を引き起こすだけではありません。多くの場合は、飲酒に伴う『脱水症状』によって起こるのです。特に冬場は、汗をかかないために水分補給はおろそかになり、アルコールで水分補給ができていると勘違いされがちです。結果として、以前は二日酔いをしなかった量を飲んでも、脱水によって頭痛、吐き気、めまいなどの症状に結び付くのです」
アルコールには利尿作用があり、飲んだ以上の量が尿として出されるほど、水分を体外に放出する。飲むとトイレが近くなるのは当然なのだが、アルコールだけ飲んでいると、体内では電解質と呼ばれるナトリウムやカリウムなども減少する。人間の身体は、体液中の電解質を一定に保つ仕組みになっており、尿量が増えると電解質も失われ、その仕組みが維持できなくなる。尿でどんどん水分を出し、身体の電解質もどんどん減少すると、その先に待ち受けるのは、さまざまな身体症状だ。
血液の量が減ることでの貧血、消化器系の臓器への血流も減って機能低下による吐き気、脳への血流が滞れば頭痛など、二日酔いのような症状が引き起こされる。また、電解質が減ると、筋肉痛やけいれん、重症だと身体が動かなくなってしまう。
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