「睡眠と年収」の意外な関係 デキるヤツは睡眠も上手!

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「ちょっと体調が悪くて……」「なんか最近体が……」こんな悩みを抱えているビジネスマン は多いはずだ。だが忙しい企業戦士のみなさんのこと、気軽に休暇を取得して病院で一日じっくり検査、というわけにはいかないだろう。たいてい、「寝れば治る」でほっておいてしまう人が多い。
だが、ちょっと待ってほしい、その病気になる直前の”病気もどき”こそ体のSOS信号なのだ。この連載では看過することのできない”病気もどき”について医療ジャーナリストの安達純子氏が解説する。

夜の目ギラ

12月後半から年明けにかけて、クリスマスや年越しなどの深夜に及ぶイベントが増える。明け方までワイワイすれば、当然のことながら早朝に起きるのは難しく、昼頃までベッドの中という人もいるだろう。そこで起こりやすいのは睡眠障害。翌日、出勤のために朝早く起きようとしても、当然、眠くてツライ。その夜は、比較的早い時間に寝ようとしても、目が冴えて眠れない。しばらく夜の目ギラと朝のつらさを引きずることになってしまう。

自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部附属順天堂医院の小林弘幸教授が説明する。

「年末年始は、生活パターンが乱れるために、体内時計を司る時計遺伝子がうまく働かなくなります。人間は、朝起きたときに交感神経が優位になって活動的になり、午後になると副交感神経の優位へと移行し、夜になると眠くなる概日(がいじつ)リズムを刻んでいます。時計遺伝子の働きが悪くなると、概日リズムが乱れて、自律神経の働きのみならず、ホルモンのバランスも昼夜逆転といったことが起こる。いわば時差ボケ。それを防ぐことを年末年始は考えるべきです」

時計遺伝子の働きが悪くなると、夜も交感神経が優位になって、目がギラギラと興奮した状態が続くことになる。小林教授によれば、「いったん優位になった交感神経は、2時間はその状態が続く」そうで、眠るために必要な副交感神経が優位にはなりにくい。しかも、深夜まで大騒ぎした後、明け方にようやく眠りにつくと、そのリズムが身体にインプットされ、朝起きられない、夜眠れないといったことに結び付くという。

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