なぜ中国の現場力は、日本より著しく低いのか

それでも、日本と中国は補完関係を築ける

前回は中国のトイレはなぜ汚いのかについて書いた。今回は、日本と中国の現場力の差について、分析をして見たい。

技術に対する日中の「アプローチの違い」とは

私の友人にレアメタルの加工技術の専門家がいる。彼は、某大手企業で、加工技術の精度をあげることに長年、邁進してきた。

加工技術の肝は、パテントや論文で説明できるものではなく、実は「結局は個人的に極めたノウハウ」が決め手になる。彼の悩みは、技術移転の契約をして、その「ノウハウ」を中国企業に伝えようと思っても、なかなか伝わらないことだという。

では、なぜ伝わりにくいのだろうか。彼我の先端技術力に差があるからだろうか。ノーベル賞こそとっていないが、いまや中国の先端技術は一見すると、日本のそれを上回るものも、大いにありそうだ。だが、現場となると、てんでだめなのだ。それをもって中国の技術レベルは、「着眼一流、着手三流」と呼ばれている。

例えば、日本の研究室では一人前の技術者になるためにフラスコの洗い方から徹底的に仕込まれるのはザラだ。また、たとえば分析精度を高めたり、クリーンルームを維持したりするために、研究室の上司からは、整理整頓から始まって、高度な技術的水準を達成するための考え方を、口うるさく仕込まれる。この背景には、技術を教えても、そこから自分なりに創意工夫をして、ノウハウの蓄積を自分なりにしていかないと、技術の進歩に遅れてしまう、という考え方がある。

当然、中国でも技術を教える際には、ほぼ同じことが行われるのだが、どうやらその考え方がかなり違うらしいのだ。

次ページ日本と中国では、現場に関する考え方がどう違うのか
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