守りながら攻める

プロゴルファー&フィジカルトレーナー/石渡俊彦

  10月から趣味と実益を兼ね、ボクシングを始めました。以前、私が出演するテレビ番組で、ボクシングの元世界チャンピオン川嶋勝重さんに右ストレートを繰り出す際の“腰の入れ方"を指導してもらったことがあります。体の使い方や集中力など、ゴルフとの共通点に関心があり、ボクシングジムを探していたのです。このボクシング、思っていたより奥が深く、ゴルフはもとより、さまざまなことに通じる考え方が興味をひきました。

最初に教えてもらったことは、自分の体の急所を守る構えから。正直素人考えで「攻撃は最大の防御」などと、力強いパンチを教えてくれるかと思いきや、ボクシングの基本は「守りながら攻める」にあることを理解。これは構えだけではなく、パンチを繰り出す際にも同じことが言えます。

たとえば左ジャブ。左こぶしを相手に繰り出す際に自分の顔の左側面が“ガラ空き"にならないように、あごを引きながら自分の左肩で守るんです。ストレートやフックなども同じで「ガードしながら打つべし!」でした。

また、同じ右ストレートでも、相手が近い場合のショートと威力を発揮するロングなどがありますが、ドライバーでも、「ここはフェアウェイキープ」「ここは飛距離重視」と使い分けます。「OBを打たないように飛ばす」「大きなトラブルにならないようにグリーンを攻める」というように、保険をかけながら1打を打つことも「守りながら攻める」の共通した考え方です。

次に体の「使い方」ですが、「パンチは腰で打つ」。パンチの角度によって腰の入れ方が違い、ショットも同様に、高いボールと低いボールでは違います。その「腰の入れ方」ですが、右利きの場合は右足の拇指丘(ぼしきゅう)を支点に回しますが、これもゴルフと一緒。もっと重要なのは、ボクシングは「右かかとを上げたまま」。そのため、右のふくらはぎの強化は必須です。ボクサーのトレーニングの基礎である縄跳び。実はこれステップ力の強化のためだそうです。そう考えるとボクサーの体づくりは、ボクシングのためのトレーニングで、理にかなっています。私がアマチュアゴルファーのミスショットの原因としてあげるトップ3の一つに、足首で地面を蹴る力不足があります。これでは体重を乗せたパンチ、いやショットが打てないのは当たり前です。

では、トレーニングを始めましょう! 両足をかかとからつま先まで閉じて姿勢を正します。そのまま足首で地面を蹴るようにかかとをしっかり上げます。このとき両足は離れないようにしましょう。これをリズムよく20回。初めは無理せずに行い、慣れてきたら回数やセット数を増やします。では、体重が乗った強いボールを打ってみましょう! 「メタボ、メタボ」と、体重が増えることが悪いことばかりではありませんよ。ただし、自分に見合った階級はキープしたいものです。

プロゴルファー&フィジカルトレーナー/石渡俊彦(いしわた・としひこ)
1965年千葉県生まれ。プロゴルファー&フィジカルトレーナー。けんこう寺子屋ゴルフスクール主宰。選手時代のケガの経験からプロトレーナーに。中嶋常幸プロの復活に貢献、高い評価を受ける。一方、若手育成やアマチュアのレッスンにも力を注いでいる。
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