中国人がSNSで赤裸々に相談する悩みの中身 グループチャットの恥は掻き捨て?

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「ここ(グループチャット)に質問を投げかければ、日本生活が長い中国人の大先輩や、子育て経験が豊富な女性が懇切丁寧に(しかも、投稿の数分後には)アドバイスしてくれるから安心です。しかも、中国に仕事で頻繁に帰る人は、母国の最新情報を教えてくれる。クローズドな関係で、LINEのような既読もつかない。そこでの情報が公になることはないし、異国の日本に住んでいても、“中国人同士、つながっている感”が得られるのです」

「私は、これはある種の互助会、お悩み相談室、駆け込み寺、ネット掲示板、日本で以前見たことがあるイエローページみたいなものだな、と思いました」

これは便利でやめられない

私は数時間で500件もの書き込みは見たことはないが、確かに、私も中国人のグループチャットで「〇〇を教えてください」的な書き込みをよく見かけるし、私自身も、自分が入れてもらっている中国人のグループに「〇〇の仕事をしている在日中国人を探しています」という依頼を書いたことがある。

それまで知り合いの中国人や日本人に聞くだけで探すことはできなかったが、中国人のグループに書き込んだところ、なんと、わずか1分!でその依頼はあっさり解決した。

私が入っているグループには、ウィーチャットで可能な最大人数、500人のメンバーがいて、そのうち私がリアルに面識があるのは7~8人しかいないのだが、面識のない中国人が「私、その適任者を知っています。すぐに名刺のコピーを送ってあげます!」といって、親切に紹介してくれたのだ。「うわ~、これは便利!」とうなったものだった。

別の中国人女性にこの話をしたところ、その女性も「そうでしょう! だから、面倒くさくても、グループチャットは役に立つので大事。やめられないんですよ。なんだかんだ言っても便利だし、心強いから」と話していた。

むろん、海外に住む外国人同士は、どこの国であれ、同胞とのコミュニティーは大切にしているだろう。北京に住む日本人同士、ニューヨークに住む日本人同士は、そこでママ友会やゴルフ会、駐在員妻のランチ会、大学の同窓会、県人会などがたくさんあって、それもSNSでやり取りしているだろうし、地元の日本人向け新聞やコミュニティー紙も発行されているだろう。

それは日本に住んでいるときよりも、自分が「日本人」であることを意識し、誰かに頼らざるをえないからで、病院の紹介、子どもの学校、治安区域に関する情報など、助け合いはもちろんある。私自身も香港に住んでいたとき、業種・業界を超えて、さまざまな日本人から、いろいろ教えてもらった経験がある。

おそらく国籍に関係なく、このようなコミュニティーは各地にたくさん存在するに違いない。

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