決断遅い日本が、ミャンマーで巻き返すには?

ミャンマー若手起業家、 チョーミンティン氏に聞く

長らく軍政下にあったミャンマーが、世界の熱い注目を集めている。昨年10月、20年ぶりに総選挙を行い、テイン・セイン大統領が誕生。民主化に向け、大きな第一歩を踏み出した。昨年は1月に米クリントン元大統領、さらにはオバマ大統領も11月に来訪。今や国と企業がタッグを組み、ミャンマーに殺到している状態だ。
 では、日本企業はどうか。歴史的にもミャンマーは親日国のはずだが、最近の大型プロジェクト案件の受注状況などを見ると、日本は必ずしも成功していない。何か足りないものはあるのか。チョーミンティン氏は、一橋大学大学院でMBAを取得するなど、日本をもっとも良く知る若手ビジネスパーソンの一人。ミャンマーで旅行会社をはじめ多くの事業を営む傍ら、ミャンマー進出企業のためのコンサルティング業務も行う。その目に、今の日本とミャンマーの関係はどう映っているのか、聞いた。

今は「世界中からラブレターをもらっている」状態

――ミャンマーが軍政から民政に変わり、オバマ大統領が現職の米大統領として初めてミャンマーを訪問、今春には安倍首相も訪問を果たしました。民主化後のミャンマー外交は、かなりの成果を収めているといえますか?

チョーミンティン Kyaw Min Htin 1972年ヤンゴン生。90年ヤンゴン大学入学、95年同大学卒業(国際関係学士)。 98年貿易会社設立。独学で日本語を学び、99年ミャンマー人で初の日本語検定1級合格者に。2000年ミャンマーポールスタートラベル&ツアーズ設立。 02年シンガポールSHATECカレッジに留学、ホテルマネージメント論を学ぶ。07年日本文科省ミャンマー国費留学生第一号として一橋大学大学院・国際企業戦略研究科へ留学。08年経営学修士(MBA)取得後帰国。
 日本からの政府要人、国会議員等の通訳をつとめるほど、ミャンマーで屈指の日本語能力の持ち主。現在は同国で旅行業を核に、教育、貿易、不動産開発、中古車輸入などの会社を経営する傍ら、同国進出企業支援を行うコンサルティング会社「エイジアンユニティ」を設立。

ミャンマー経済は今、世界中が注目しています。オバマ米大統領は2012年11月、我が国を訪問してテインセイン大統領や、民主化運動の旗手であるアウンサンスーチー議員と会談しました。また、それよりも1年前に、ヒラリー・クリントン前国務長官がミャンマーを訪れました。これがきっかけとなって、米国とミャンマーの関係は、非常に良い方向に進んだと思います。

2013年の春以降は、その動きに一層、弾みがつき、多くのビジネスパーソンがミャンマーを訪問するようになりました。今のミャンマーは、世界中からたくさんのラブレターをもらっているようなものです。

――日本企業のミャンマー進出は、うまく行っていますか。

もともとミャンマーは、太平洋戦争の最中も、日本と同盟関係を結んでいました。いわば、古い友人関係のようなものです。ただ、ミャンマーと日本の関係を良好なものにするためには、お互いをもっと理解し合う姿勢が必要でしょう。

たとえば日本は、ミャンマーと経済的な連携を強めるため、自分自身は熱意を持ってプレゼンテーションをしていると思っているでしょう。でも、今のミャンマーの政治家、官僚、テクノクラートは、恐らく日本側が言う熱意を、理解できていません。

次ページなぜミャンマー側は、日本の熱意を理解できないのか?
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