ロシア人のアヴァンギャルドな世界観 ユートピアを求めた人々

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ポスターの色数が少ないのは、初期の頃は革命後の内乱で印刷所がダメージを受けたこと、資材が不足していたことからだった。

「限られた色を使い、面を強調したデザインは、ポスター表現の定番となり、復興してからも、そのデザインが使われ続けました。当時の西ヨーロッパのポスターにはない特徴です」

作者不明《ステンベルク兄弟のポスターに基づく 巧妙な仕事》1927年 Ruki Matsumoto Collection Board
1924年のアメリカ映画『この先危険(Danger Ahead)』のポスター

先ほども触れたステンベルク兄弟は、300点を超える映画ポスターを手掛けた。今回はそのうち74点を見ることができる。上の作品はウズベキスタン共和国のタシケントで、ステンベルク兄弟の作品をコピーして刷られたもの。

ソビエトは広く、使われている言語もさまざまだ。モスクワなど中央で作られるポスターはロシア語だが、ここではアラビア文字が加えられている。著作権などなかった時代だから、色も勝手に地元風に変えて刷られている。

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