川崎「駅前」のにぎわいはなぜ続いてきたのか キーワードは「映画」と「商店会連合会」

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JR川崎駅東口の様子(筆者撮影)

ここ最近、商業施設の完成や新しい開発計画で川崎駅周辺がにぎやかだ。

今年2月には駅北口の通路が開通し、同時に駅ビル「アトレ川崎」が拡張オープン。駅ナカにデリ・スイーツを中心に26店舗を新設、駅改札外のビル部分も増床し、川崎駅北口行政サービス施設の新設や、食料品・生活雑貨を中心とする新規店舗が開業した。5月には「川崎駅西口開発計画」が着工し、2021年春には29階建て・オフィス6万6000平米と300室のホテルを中心とした3棟のビルが生まれる予定だ。

また、東口では来年初秋にも「さいか屋」の跡地にパルコの運営する商業施設がオープンすることが決まった。いま勢いのある川崎駅周辺。その源はなにか探ってみた。

映画と工場で発展した街

川崎駅で特徴的なのは中央の東西に延びる自由通路だ。先日の北側自由通路開通まで、長きにわたって川崎駅に降り立つ人を一手に迎えてきた。その西口側には大型商業施設「ラゾーナ川崎」が、東側には駅ビル「アトレ川崎」が直結する。

この駅直結の2つの大型商業施設のほか、駅周辺には地下街の「アゼリア」、複合商業施設の「川崎ルフロン」「川崎DICE」「岡田屋モアーズ」、映画館を中心にした複合施設「チネチッタ」や大きなコンサートホールを持つ「ミューザ川崎」といった大型施設が集まる。また東口には大きなアーケードを持つ商店街群もあり、人通りが多く元気だ。

こうした市街地はもともと京急線やアーケードを持つ商店街の東、旧東海道沿いの砂子(いさご)地区にあった。川崎は旧東海道の宿場街で娯楽が発展したまちでもある。また、川崎大師平間寺が近かったことから、宿場周辺には遊郭が栄えた。明治時代に入り1872年に鉄道が開通し、人々の流れが街道から鉄道へと変わっていっても、遊郭由来の盛り場は残った。

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