米債務上限協議、中途半端なら再びドル売りも

「引き上げ期間」はたった6週間?

10月11日、東京市場は米財政協議の進展への期待感からリスクを選好する動きが強まり、日経平均が4営業日連続して買われたほか、円も対ドルで下落した。写真は米議会議事堂、今月6日撮影(2013年 ロイター/Jonathan Ernst)

[東京 11日 ロイター] - 11日の東京市場は米財政協議の進展への期待感からリスクを選好する動きが強まり、日経平均<.N225>が4営業日連続して買われたほか、円も対ドルで下落した。

ただ、連邦債務上限の引き上げで合意したとしても、その引き上げ期間が共和党の提案する6週間にとどまれば、再びドル売りの動きも出かねず、市場の先行きにはなお不透明感が漂っている。

<リスクオフ解消で株高、円安に>

「米国から様々な報道が出ているが、米財政協議が進展する方向にあるとの市場の認識は変わっていない」(国内証券)。同日午前の東京株式市場は日経平均が4日続伸。一時197円高となり、1万4400円に迫る場面があった。午後に入ると上げ幅をさらに広げた。為替市場でも「そろそろ共和党も手を打たざるを得ないのではないか」(大手邦銀)との見方から、これまで売られてきたドルを買い戻す動きが優勢になった。

民主・共和両党の議員によると、政府機関の一部閉鎖や米国のデフォルト(債務不履行)危機につながっている政治的対立は解消に向けて進んでいる。オバマ米大統領と共和党指導部は10日もホワイトハウスで財政問題を協議。具体的な合意には至らず、双方の隔たりはなお残っているものの、共和党幹部からは、11日にも合意できそうだ、との見方が出ている。対立解消の兆しが見えたのは、政府機関閉鎖が始まって以降、この10日間で初めて。市場ではそれを好感して、これまでのリスクオフを手仕舞いする動きが加速した。

しかし、先行きについては、依然として慎重な声が少なくない。「共和党から提案されている債務上限の引き上げは短期間であり、議論が数週間延期されるに過ぎない」(みずほ証券エクイティ調査部シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏)からだ。

米財務省は10月17日に連邦債務が上限の16兆7000億ドルに到達するとしている。 仮に両陣営が債務上限の引き上げで合意したとしても、引き上げを認める期間の長さによって、財政運営への影響は大きく異なる。この期間について、民主党が1年を要求しているのに対し、共和党は当面のデフォルトを回避するため、とりあえず6週間に限る対案を示している。「少なくとも数カ月単位でないと、リスクオンの流れは強まりにくい」と、ある国内証券の関係者は話す。

別の関係者は「債務上限引き上げが6週間と短期間にとどまれば、米テーパリング(緩和縮小)のスタート時期ともかかわってくるため、再びドル売りに傾く可能性がある」と指摘する。

「17日の期限を前に米債務上限が引き上げられ、米政府機関のシャットダウン措置が解除されたとしても、米国の経済が強くなるのかと言えばそうは簡単に行かない」と、三井住友銀行シニアグローバルマーケッツアナリストの岡川聡氏は言う。

同氏は、「(米経済の成長を)確認するにも、経済指標の集計が遅れて正しい数字が見えなくなっている。米国が(世界景気を)けん引していかなければならない状況の中で、米国経済がもたつくのは決して中期的に良いことではない」と指摘。

「リスクオフのショートカバーとしてのリスクオンはありえても、17日の期限を乗り越えたからと言って継続的にリスクオンになってゆくかと言えば、それは少し甘い見方だろう」と語る。

(山口 貴也 編集:北松 克朗)

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