東京の格差、「災害復旧が遅い地域」はどこか もう想定外とは言わせない…東大教授の挑戦

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■ 30×30メッシュ状のモデル:オープンデータをベースにしながら、東京都23区を30×30のメッシュ状にモデリング。中央防災会議⾸都直下型地震対策専⾨調査会が作成した震度予測データを利⽤し、震度に⽐例した被害を重要インフラごとに設定した(重要インフラの位置情報等については、正確な情報が公開されていないため仮説を含む)
■ レジリエンスマップ:総合的なレジリエンス度合いを直感的・視覚的に⽰すことにも取り組んでいる。市⺠⽣活、産業、ライフラインの3つのカテゴリについて、災害発⽣後の復旧過程における復旧度合いを⾊によって⽰した。⾚⾊は機能していない状態、⽩⾊は復旧した状態を⽰している。下図は、市⺠⽣活の復旧度合について、時系列的な変化がわかるようにアニメーションで⽰したもの。40日後も復旧が進まない地域が浮かび上がる

生活者の観点からレジリエンスを評価する

いちばんの特徴は、複合インフラの相互依存性解析にある。解析するためのシミュレーションモデルでは、東京23区を1キロメートル四⽅のメッシュに区切り、それを使って災害が起きた後の復旧度(レジリエンスカーブ)を評価できるようになった。欧⽶の相互依存性解析と違うところは、インフラだけではなく、その上にあるサービスや市⺠⽣活のモデルが⼊っていることだと古田教授は説明する。「生活者の観点からレジリエンスを評価するというのがポイントだ」

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