株価などの金融資産の価格が割高か割安かといったバリュエーションに関する指標は多数あるが、市場においていつ価格が調整されるのかを言い当てることは難しい。
筆者はそのひとつのツールとして経済物理学を用いたバブル崩壊の予測モデルを東洋経済オンラインでも紹介した 。2017年11月17日の「経済物理学で日経平均株価の暴落時期を探る」では、日経平均株価の「バブル崩壊」の分析を行い、下記のように結論付けていたが、これが的中した。
「足元(17年11月当時)から2018年2月末までに日経平均株価は大幅または小幅な調整をする可能性が高い。ただし、調整が小幅になった場合は、2018年にかけて再びバブルを形成する可能性もありそうだ」「短期的な調整(モデルによると2万1000円程度まで下落)を経て、バブルが再形成されていく均衡となっている」
モデルは2月調整後のバブル再形成も予測していた
経済物理学では、バブルを「揺れを伴いながら、崩壊する点(臨界点)へと近づいていく系列」として捉える。そして、その臨界点へ向かっていく過程を「べき乗則」によって指数関数的に変化する「トレンド成分」と、周期運動する「サイクル成分」の重ね合わせであると考える。水準が指数関数的に上昇する過程で、周期的な変動が小さくなって「臨界点」に達したときにバブルが崩壊する、という考え方である(臨界モデル)。
この関数と実際の価格変動の「当てはまりのよさ」を比較する(例えば決定係数などの尺度を用いる)ことで、バブルの崩壊のタイミングを予想することができる。
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