1ドル=107円台突入、日本株はどうなるか 日経平均は一時的に2万1000円割れを覚悟
株式市場は「適温相場」と言われていたが、今や「悪寒」が走っている状態だ。米国の長期金利の急上昇をきっかけにマネーの流れが急変。投資家のリスク回避姿勢が強まっている。世界的な株安連鎖が進み、日経平均株価も2月6日に一時2万1078円まで急落。13日の終値も2万1244円と終値では今年の最安値となった。一方でテクニカル面からみると、売られ過ぎを示唆するシグナルもうかがわれる。いったん底入れとなるのか、再び下値模索となるのか、今後の見通しを探ってみた。
底値圏を示すシグナルも
「ニューヨークダウは史上最大の下げ幅」、「ブラックマンデーの再来」との活字が紙面を賑わせている。今回の世界同時株安は、コンピューターを使った高頻度取引(HFT)等の自動売買による市場への影響が投資家の不安を増幅させた。短期筋のファンド等が予想変動率の急上昇に伴い、売りを膨らませたのが急落の原因の一つとなったようだ。足元ではそのパニック売りも峠を越えたかどうか、慎重に判断したい。
もう一度、米国の急落を受けた6日の相場を振り返ってみよう。日経平均株価は下げ幅が1000円超に達した。注目は「下落幅(円)」でなく「下落率(%)」だ。下落率はマイナス4.7%にとどまった。1987年のブラックマンデー(同14.9%)、100年に一度の金融危機といわれた2008年の米リーマンショック(同11.4%)、2011年の東日本大震災(同10.5%)と比べても、半分未満の下落率だ。確かに年初からの株高は、投資家による横並びの群集行動(ハーディング現象)と「自信過剰バイアス」が重なった部分もありそうだ。油断は禁物だが、「買われ過ぎの反動安」はどこかで必ず止まる。
今回の株価急落で投資家のセンチメントは悪化しているが、テクニカル面からは売られ過ぎを示唆するシグナルが散見される。その代表的なものが騰落レシオだ。
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