1ドル=107円台突入、日本株はどうなるか

日経平均は一時的に2万1000円割れを覚悟

騰落レシオとは、相場全体の買われ過ぎや売られ過ぎを推し量るテクニカル指標のひとつ。相場の全銘柄(ここでは東証1部とする)を対象に、一定期間中の値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割って比率を求め、市場全体の天底を探るものだ。

計算式は下記の通りだ。

騰落レシオ(%) =一定期間における(値上がり銘柄数合計÷値下がり銘柄数合計)×100  ※通常は25日間が用いられる

この数値の見方の目安は、天井圏(買われすぎ)→120~140%超、中立圏→100%前後、底値圏(売られすぎ)→70%前後である。

特に、底値圏での信頼性が比較的高いとされる。なぜか。急落局面では投げ売りやろうばい売りが連鎖するため、全面安になりやすい。一定期間(通常25日)における値下がり銘柄数が急増すれば、騰落レシオを一気に押し下げる。したがって、株価指数の底値圏とおおよそ重なる傾向がみられるのだ。ただ、実際の相場では底値圏のタイミングには若干ズレが生じることもあるので、できれば他の複数のテクニカル指標と併用して、判断したい。最近では、主な騰落レシオ「70%未満」は以下の4回だ。

2014年以降の騰落レシオと日経平均株価のボトム局面

日時      背景        騰落レシオ 日経平均安値
① 2014年10月 世界経済減速懸念  69%台   1万4532円
② 2015年9月  人民元ショック    64%台    1万6930円
③ 2016年1月  原油急落など          53%台      1万4952円
④ 2017年4月 仏大統領選懸念        68%台      1万8335円

2014年以降の騰落レシオ(東証1部・25日平均)と日経平均株価の関係見ると、「騰落レシオ70%割れ」≒「日経平均株価の底値ゾーン」となっている。足元(2月13日時点)の騰落レシオは76%まで低下してきた。為替が1ドル=108円を割りこみ107円台へと円高に進んでおり、騰落レシオは過去50%台まで下落したこともある。株価はなお下値の模索の可能性もありそうだが、底入れ局面が近づいてきているとの見方も必要だろう。

円高は警戒だが、自律反発局面が近づいている?

2016年秋以降の日経平均株価を振り返ると、約1年間の売買コストの平均で長期トレンドの基準ともされる200日移動平均線の価格前後まで調整した局面は、以下の3回ある。①2016年秋のトランプショック(1万6200円台)、②2017年春の仏大統領選懸念(1万8300円台)、③2017年秋の北朝鮮情勢緊迫化(1万9200円台)だ。結果として、いずれも押し目買いのタイミングとなっている。

日経平均株価は200日線(約2万1000円)近くで下げ渋っているが、円高が進み13日の先物市場では2万1000円を割り込んだ。14日は2万1000円割れを覚悟することも必要だ。だが、ここからの下値は限定的で、売りが一巡すれば値ごろ感から買いが入り、いずれは200日線の水準を回復する、との見方も必要だ。

海外勢の売りもヤマを越えたかどうか。足元の4週間で外国人投資家の売り越し額は計1兆円近くに達し、2月6日の東証1部売買代金は計5.6兆円となった。その後の売買代金は1日当たり3~4兆円台に落ち着いてきた。2月の急落局面では国内勢(信託銀行、事業会社、個人など)による買いがみられ、今後は黒田東彦総裁の再任も濃厚とされ、日本銀行の買い入れ継続も期待できそうだ。

見てきたように①騰落レシオ70%前後、②200日線前後までの下げ、③商い縮小の3つが揃えば、日本株(日経平均株価)はいったん自律反発に向かいそうだ。「アメリカがくしゃみをすれば、日本が風邪をひく」と長年いわれてきた。目先は円高懸念が増しているが、足元の国内企業業績は好調だ。少なくとも、需給面からみた日本株は値幅調整は大枠では終わり、日柄調整(相場が上下動したあと、次の相場に移行するまで一定の日数を必要とすること)の局面へと移行しつつある。

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