NYダウと日経平均株価はどこで下げ止まるか 「過去につけた価格」が一つの目安になる
アメリカ発の「世界同時株安」が起きてしまいました。2日に発表されたアメリカの1月の雇用統計が市場予測を上回る強い結果となったことで、長期金利(米10年債利回り)が一時2.85%まで急上昇。これが一つのきっかけとなり、ニューヨークダウ平均は665.75ドル安と急落しました。
日米の株価が崩れる兆候はあった
すぐ下げ止まることにも若干期待しましたが、現地時間の週明け5日はもっとすごいことになってしまいました。ダウ平均は一時1600ドル近い急落となり、史上最大の下げ幅を記録。米10年債利回りの上昇一服で、株価は値を戻す場面もありましたが、ここまで下げると金利どころではなかったようです。持ち株の評価損の拡大を恐れ、売りが売りを呼ぶ展開となりました。結局、ダウ平均の2日間の下落幅は1840.96ドル安(-7.03%)となり、年初来では1.51%安と、今年初のマイナス圏に突入しました。
東京株式市場も、5日と6日のたった2日間で、日経平均株価の下げ幅は約1664円となりました。今は国内企業の決算発表の真っただ中にありますが、米国株の調整を横目に、どのように反応してよいかわからず、もやっとしていたところで、不意打ちを食らうかたちとなりました。ただ、それ以前に日経平均株価は1月31日までの6日間で弱気の「連続陰線」を形成していましたし、1月30日にはダウ平均も、チャート上では弱気の「マド」(ローソク足で前回の株価と最新の株価との間に、ぽっかりとすき間ができること)を形成していました。これらは株価が崩れるサインだったに違いありません。
また、今回、強い雇用統計発表後、金利上昇が加速したように言われていますが、これはあくまできっかけにすぎません。すでに、米10年国債の利回りは長期的な下向きのトレンドが、上向きに変わり始めていたからです。一方で10年債の利回りは、2013年12月に付けた3%に近づいてきました。目先は3%を超えて、さらにぐんぐん上昇していくとは思いません。いったんは3%を前に、上がってきた反動で低下する場面があるはずです。そうなると、株価はいったん落ち着くでしょう。
なぜそう予測するかと言うと、過去、米10年債利回りは2012年6月の水準(1.45%)から2013年末の3%まで、約1.55%上昇しました。その後、2016年7月に1.35%まで下落、一時は2012年の水準から底割れする場面がありました。現在は、2016年のこの7月の水準から上昇局面が続いています。テクニカル面から「過去分と同じく1.55%上昇する」と仮定すると、2.9%程度で落ち着くことが予想できるからです。
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