消費増税、次の焦点は経済対策5兆円の中味

首相「2015年の10%への引き上げは、改めて判断」

消費税8%の景気への影響は?

法律で予定されているスケジュール半年前まで決断を先送りしてきた安倍晋三首相がようやく消費増税に踏み切った。安倍首相は1日夕に首相官邸で記者会見し、現行5%の消費税率を2014年4月から8%に引き上げると正式に表明した。

同時に、増税に伴う駆け込み需要の反動減対策として5兆円規模の経済政策パッケージを閣議決定。パッケージには中小企業の設備投資支援策や高齢者・女性・若者向けの支援策などを盛り込むほか、市町村民税の非課税者2400万人に1万円、年金受給者に1・5万円、総額約3000億円を給付することなども検討している。

「基本的に政府として考えていたものはほぼすべて盛り込めた。100点に近いものになったのではないか」(甘利明・経済財政担当大臣)。増税に伴う経済対策の規模は、「財務大臣が(歳出を渋る)事務方の考えをくつがえして」(甘利大臣)5兆円の規模を確保。官邸サイドにとって満足のいく規模と内容になったようだ。

1日に公表された日銀短観は大企業製造業の業況判断DIがプラス12(前回比8ポイント改善)となったほか、中小企業も製造業、非製造業とも前回調査比で改善し、安倍首相の決断を後押しした。閣議決定の文章でも、経済状況は「デフレ状況ではなくなりつつある」と評価されている。

次の焦点は、2014年度予算案と併せて5兆円の中味を具体化するという12月上旬だ。競争力強化策として、「中小企業に重点を置いた投資補助金などの設備投資支援策」や「東京オリンピックへの対応などの交通・物流ネットワークの整備」などが項目として上がっているが、その具体化が問題になる。

国債の新規発行なしに5兆円満額を捻出できるか

そもそも駆け込み需要の反動減対策の規模がなぜ5兆円なのか、という疑問も残る。1日の記者会見で甘利大臣は「反動減は民間では1・8兆円から2兆円規模と言われている。反動減を埋め戻すだけでなく、成長力をそこ(上昇直線)に復帰させることが必要。これが経済力の底上げだ」と説明している。

また、5兆円の財源について、麻生太郎・財務大臣は「できるかできないかわからないが、国債の新規発行なしに5兆円の財源をまかないたい」と述べている。税収の上ぶれや復興予算を含めた予算の使い残しなどで3兆円半ばは確保されそうだが、5兆円分を国債増発なしに満額確保できるかどうかは予断を許さない。

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