汚染水対策に国費投入でも険しい東電再建

財務負担軽減も、経営安定化への道のりは遠い

写真:原子力規制委員会/The New York Times/アフロ

深刻化する東京電力福島第一原子力発電所の汚染水問題は、国が前面に立って対処することが公約され、総額470億円の国費を投入して新たな対策も講じられようとしている。しかし、問題の根本的な解決のメドは依然立っていない。

9月19日に福島第一原発を視察した安倍晋三首相は、「汚染水の影響は港湾内の0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」と語り、「状況はコントロール下にある」と述べた国際オリンピック委員会総会時と同じ認識を示した。

ただ、経済産業省の試算では、汚染水は港湾内に1日約300トン漏れ出ている。東電も認めるように、港湾内の海水は外洋との間で行き来がある。大量の海水で薄まっているため外洋の汚染濃度は検出限度以下になっているが、海洋汚染が進行中なのは明らか。厳しい現状認識をすれば、「完全にブロック」などとは言えないはずだ。首相発言は国際的に多大な誤解を招いた可能性があり、野党が前倒し開催を要求している臨時国会でも追及されるのは必至だ。

会計制度変更で負担減

その安倍首相が視察時に東電の廣瀬直己社長と会談し、廃炉費用の資金枠確保、汚染水の浄化、福島第一5、6号機の廃炉という三つの要請を行った(表)。

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