新幹線「重大インシデント」はなぜ起きたのか 台車に亀裂発見、考えられる原因は?
12月11日、博多発東京行きの「のぞみ34号」で異音や焦げ臭い異臭などが発生、名古屋駅で運転打ち切りとなる事態が発生した。その後の調査で、13号車の台車にあるモーターの回転を車輪に伝達するための継手が変色するとともに、ギアボックスに油が付着していることが確認され、さらに台車枠に亀裂が入っていることが判明した。
これを受けて運輸安全委員会は12日、今回のトラブルを新幹線としては初めてとなる「重大インシデント」に認定した。山陽新幹線では最高時速300㎞、東海道新幹線でも一部の区間を時速285㎞で走る車両の台車に亀裂が入ったというのは深刻であり、一歩間違えば高速走行中の脱線という最悪の事態を引き起こしかねない。「重大インシデント」認定は当然の判断といえよう。
いったい何が起きたのか
トラブルが発生した車両は、JR西日本が保有するN700系(N700Aタイプ)の「K5編成」(博多総合車両所所属)。同社の発表によれば、小倉駅発車時に7・8号車付近で焦げたような「異臭」がしたほか、岡山駅より東の区間で13・14号車間で「うなり音」を確認。その後、新大阪でJR東海の乗務員と交代の後、京都駅付近にて車掌が異臭を確認。名古屋駅停車時に車両床下の点検を実施したところ、台車のギアボックス付近に油漏れを認め、走行が不可能と判断されたという。JR西日本は発表で、継手の変色が「異臭(焦げたようなにおい)」の原因と考えられるとしている。
現時点では詳しい調査を待たなくてはならないが、原因としてどのような可能性が考えられるかを考えてみた。あくまで推測に基づく仮説であるが、現時点で判明している情報からは以下のストーリーが考えられる。
(2)ギアボックス内の破損が原因となり台車枠に亀裂が入るまでに至った
(3)異物がギアボックスと台車に当たって双方を損傷した
という3つだ。
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