田園都市線「地下区間」トラブル続発の理由 開業から40年、進む施設の老朽化
10月中旬の停電に続き、また朝の東急田園都市線でトラブルが起こった。
11月15日5時35分ごろ、田園都市線の池尻大橋―駒沢大学間(ともに東京都世田谷区)で、電車に電力を供給する架線の停電が発生。直後から同線は全線で運転を見合わせた。中央林間―二子玉川間については5時50分ごろから折り返し運転を開始したものの、停電が発生した区間を含む二子玉川―渋谷間は10時ごろまで不通となり、朝の通勤ラッシュ時間帯を直撃。上下合わせて155本の電車が運休し、約12万6400人に影響が出た。
電気を送るケーブルがショート
東急によると、今回の停電の原因は変電所から架線に電気を送るための送電線「き電ケーブル」を覆っているポリエチレン製の被膜が何らかの理由で破れ、ケーブルを載せている鉄製の架台に内部の銅線が直接触れてショートしたためという。10月の三軒茶屋駅での停電は、駅の施設などに電気を供給する送電系統のトラブルだったため、電車の走行用電力は供給されていたが、今回は電車の走行用電力がストップした。
き電ケーブルはトンネル内の天井付近を通っており、今回トラブルが発生したのは池尻大橋駅構内の上り線トンネル内。発生当時ホームにいた利用客から「火花が光ったのを見た」との連絡が同駅係員にあったものの、その報告がすぐに関係者に伝わらなかったことから発生箇所の特定に時間がかかり、復旧までに約4時間半を要する結果となった。
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