「情熱大陸」に夢中な人も知らない泥臭い裏側 放送20年の長寿番組が支持され続けるワケ
「東洋経済オンライン」を読んでいるビジネスパーソンの皆さんなら、少なくとも1度は見たことがあるでしょう。人物ドキュメンタリー番組「情熱大陸」(毎日放送(MBS)製作・TBS系で放送)が今年、20年を迎えました。12月17日(日)には、20年記念として1時間スペシャルの放送が予定されています。
各界の第一人者から知る人ぞ知る達人まで、さまざまな人物にスポットを当て、その生きざまを映し出した同番組は、どのように作られているのでしょうか?
たとえば、「人選はどのように行っているのか?」「対象者とどのような距離感で接しているのか?」「どれくらいの期間、密着しているのか?」「成功者やプロフェッショナルの共通点とは?」「ビジネスパーソンはどうしたら出演できるのか?」。これらの気になる質問を2010年からプロデューサーを務める福岡元啓さんにぶつけてみました。
中立さよりもディレクターの演出
「情熱大陸」の放送開始は1998年4月、当時参考にされたのは『AERA』(朝日新聞出版)の「現代の肖像」や、『朝日ジャーナル』(朝日新聞社)の「若者たちの神々」。いずれも週刊誌の名物コーナーであることから、当時人物ドキュメンタリー番組が少なかった様子がうかがえます。
福岡さんは、くしくも番組スタートと同時期に入社。以来4年間ラジオ制作に携わる間、「情熱大陸」は世間からの評価を勝ち取っていきました。勝因となったのは、演出に重きを置いた番組コンセプト。「記録を残す“報道ドキュメンタリー”のようなものがドキュメンタリーといわれがちですが、『情熱大陸』は番組クレジットの先頭に、演出〇〇〇〇とディレクター名を表示するように、どのように見せるかを重視している“制作ドキュメンタリー”という感覚があります」(福岡さん)
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