もつ鍋屋がシメの雑炊で意外にも儲かる理由 100円ショップの稼ぎ方を知っていますか

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ケイコ:ああ、もう! イラッとする。お客様1人当たりが購入した履歴……わかりやすく言えばレシートね。レシートごとにコストと売り上げを計算して、必要なだけの利益を確保できていればそれでいい。そういう発想よ。特に、成長した外食産業や、小売業では、こう考える傾向にあるわ。

マサキ:なるほど。ボクがレジで支払う金額は、ボクにかかったコストと比べて割に合っていればいいと……。

ケイコ:そう。だから、単品で見るんじゃなくて、商品群で見るの。お客様に2品、3品と選んでもらえるようにして、最終的に利益を確保していくのよ。

もつ鍋屋は“シメ”に勝負をかける

ケイコ:じゃあ、もつ鍋屋さんが何で儲けているか考えたことある?

マサキ:何ですか、唐突に。「もつ鍋」屋さんなんだから、もつ鍋で儲けてるに決まってるじゃないですか!

ケイコ:あなた、やっぱりその程度のオツムなのね。

マサキ:え? 違うんですか?

ケイコ:じゃあ、あなたが行くもつ鍋屋さん、1人前いくら?

マサキ:確か790円です。おいしくて満足感があって、野菜もたっぷり入っていて……。なのに、メチャクチャ安いから、ついつい通っちゃうんですよ。

ケイコ:じゃあ、そのうち原価がどれくらいかわかる?

マサキ:原価って……。そんなこと、考えたこともなかったな。

ケイコ:もつに、キャベツに、玉ねぎ、厚揚げでしょう? 具材の分量にもよるけど……ざっと320円ってとこかしら。

マサキ:おぉ、結構儲かりますね。粗利で470円も!

ケイコ:結構、儲かる? 原価でおよそ40%(=320÷790)。それって、かなりギリギリよ。

マサキ:どうして? だって「儲かってる」じゃないですか!?

ケイコ:もつ鍋屋さんだって商売でしょ? そこから家賃とか、人件費とか支払うのよ。とてもじゃないけど、その数字じゃ割に合わないわ。せめて原価は30%くらいに抑えないと。

マサキ:そうか。厨房の中に人がいるし、ホールにもたくさんバイトさんがいるもんな。

ケイコ:じゃあ、どこで儲けていると思う? 質問を変えると、どこがいちばん利益を取れそう?

マサキ:わかった! ビールですか?

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