ADK社長が激白する、WPP離縁とTOBの行方 「TOBは成立する、価格は安くない」との根拠は
TOBは成立するのか?
――株価がTOB価格を上回り、筆頭株主のWPPと第2位の英運用会社シルチェスターが「価格が安い」ということから不参加を表明している。TOBの成立は難しい状況ではないか?
TOB価格を決めたのはベインだが、われわれも価格は適正だと判断しており、安いということはない。取締役会で複数社のフィナンシャルアドバイザーの意見を聞き、独立の社外取締役による協議会でもアドバイザーを雇って意見を聞いている。
客観性を十分に考慮した価格だ。今は「もっと上がるのではないか」という期待があるようだが、足元では少しずつ下落している。もう少し経てば落ち着くのではないか。
――TOBは成立するとみているということか?
そういうことだ。WPPとは少し特別な関係だが、シルチェスター以下の株主とは引き続きいろいろな形でコミュニケーションをとっていきたい。われわれの考えに賛同していただけるように努力していく。現時点で、ベインと何か新たな対策を協議していることはない。
――仮に成立しなかった場合、どうなるのか?
いずれにせよ構造改革は続けていくし、WPPとの資本提携も解消する。1年以内に交渉して、妥結すればその段階で提携は解消される。ベインをパートナーとしてどうやっていくのか、考えていくことになる。
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