三菱MRJ、“チラ見せ”の意図

飛行試験用の機体構造部位、報道陣に公開

三菱重工業傘下の三菱航空機は9月上旬、開発を進めている小型ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)の機体の一部を報道陣に公開した。2015年4~6月に予定する飛行試験用の機体構造部位で、関係者以外への公開は今回が初めてとなる。三菱航空機は8月に3度目となる開発スケジュール延期を発表した経緯があり、製作途中の機体を披露することで計画実現に対する不安を薄めたい考えだ。

結合前の胴体や主翼などを公開

MRJの機体製造は三菱重工が操業する愛知県下の3工場が担当しており、中間組み立てを担う名古屋港臨海部の飛島工場で、主要な構造部位が公開された。コックピットがある先頭部、客室部分に当たる中胴前・後部、貨物室部分の後胴前部、片方の主翼が並べられ、川井昭陽社長は「こうして皆さんにお見せできるところまで来たのは感慨深い。先日申し上げた最新のスケジュールは絶対に守るべきもので、それより1日でも早く飛ばせるようにしたい」と意気込みを語った。

三菱航空機の川井昭陽社長

公開された構造部位はダクトや配線などの作業を済ませた後、県営名古屋空港に隣接する最終組み立て担当の小牧南工場へ搬送。同工場で結合し、アビオニクス(航空電子機器類)など内装品の取り付け作業に入る。旅客機の心臓部に当たるエンジンについては、「(供給元の)プラット&ホイットニーとの間で、来年春に間違いなく届く予定になっている」(川井社長)と言う。

MRJは三菱重工グループが社運をかけて挑戦する初の旅客機プロジェクトで、高い燃費性能と客室の快適性がセールスポイント。しかし、旅客機開発は部品点数が膨大なうえ、厳しい安全承認基準をクリアするための証明作業に多大な労力を要し、MRJの開発作業は予想以上の苦戦を強いられているのが実情だ。

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