日経平均は東京五輪のご祝儀効果で大幅反発 売買代金も2兆円突破し1万4200円台回復

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週明け9日の東京株式市場は大幅反発した。日経平均株価は前週末終値比344円42銭高の1万4205円23銭、TOPIXは同25.18ポイント高の1173.00とそろって値上がりした。9月7日(日本時間9月8日早朝)に2020年の夏季五輪開催都市が東京に決定、これを好感した不動産株や建設株などへの買いを中心に、ほぼ全面高の展開となった。

東証1部の概算での出来高は29億3756万株、売買代金は2兆1007億円と、このところ低迷が続いていた商いは大きく膨らんだ。出来高が活況のメドとなる25億株を超えたのは、8月2日(26億8654万株)以来1カ月強ぶり。売買代金が同じく活況のメドとされる2兆円を超えたのは8月9日(2兆0309億円)以来1カ月ぶりとなる。

前場の東京市場は、2020年の東京五輪開催決定に加え、本日朝方に4~6月のGDP(国内総生産)改定値が上方修正されたことなどが好感され、買い戻しの動きが先行。本日の日経平均は前週末終値比280円高と大幅反発で寄り付き、9時12分には同390円高の1万4251円まで上昇した。ただ、買い一巡後は利益確定の売りに押され、やや伸び悩む展開になり、前引けは261円高の1万4122円と上げ渋った。

昼のバスケット取引は83億9600万円が成立し、「売り買い均衡」と伝えられた。東京市場に遅れて始まったアジア株式市場は、台湾が一時小幅安に転じるなどしたほかは、総じてしっかりと推移。日経平均の後場寄りは、前引け比4円高(前週末終値比では265円高)の1万4126円でスタート。ただ、後場寄り直後の1万4125円を後場の安値にジリ高基調に転換。午前中に一時円高基調に傾いていた為替が午後には再び円安基調に傾いたうえ、先物の買いも断続的に入った。1万4200円を挟む攻防のすえに、8月2日以来となる1万4200円台を死守。本日の取引を終えた。

東証33業種別では、32業種が値上がりし、値下がりは任天堂に代表されるその他製品の1業種のみ。上昇率トップは5.29%値上がりした不動産で、以下、建設、倉庫、サービスなどが続き、東京五輪開催で恩恵を受けると見られる業種が上位に並んだ。東証1部の値上がり銘柄数は1624で全体の92.6%にも及んだ。値下がり銘柄数は94で全体の5.3%、変わらずは35だった。個別銘柄では、鉄建、東急建設など建設関連が上位に目立った。

今週は、9月10日には、再開される米国議会でのシリア問題討議が注目されるほか、アップルの新型アイフォーン関連のイベントが予定されている。13日は米国小売売上高やミシガン大学消費者信頼感指数など米国での消費関連指標が発表される予定だが、日本でメジャーSQ(特別清算指数)が算出されることが波乱要因になる可能性もある。

大滝 俊一 東洋経済 記者

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おおたき しゅんいち / Shunichi Otaki

ここ数年はレジャー、スポーツ、紙パルプ、食品、新興市場銘柄などを担当。長野県長野高校、慶応大学法学部卒業。1987年東洋経済新報社入社。リーマンショック時に『株価四季報』編集長、東日本大震災時に『週刊東洋経済』編集長を務め、新「東洋経済オンライン」発足時は企業記事の編集・配信に従事。2017年4月に総務局へ異動し、四半世紀ぶりに記者・編集者としての仕事から解放された

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