8大テーマで見つける、新成長ビジネス100 伸び盛りの100社をピックアップ

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新たな市場を創造するイノベーション企業

まずは、政府が「成長戦略」として掲げ、規制緩和や予算配分など、さまざまな支援方針を明言している市場でビジネス機会を探るのが一法だろう。成長戦略で伸ばす四つの市場を掲載した(下図参照)。

健康関連、エネルギー関連、次世代インフラ(道路や橋などの老朽化対策や宇宙衛星など)関連、地域資源(農林水産業や観光など)関連だ。中でも次世代インフラは、現在の国内市場2兆円を2030年に33兆円と16.5倍に拡大させる。国内の重要インフラのすべてにセンサーやロボットを活用した点検システムを構築する、としている。

しかし、政府の後押しがあれば、必ず成長するとは限らない。いつの時代でも、企業の成長を牽引するのはイノベーションだ。新たな製品・サービスを開発し、市場を創造する企業だけが飛躍できる。大企業に限らず、中小企業、ベンチャー企業も含めて、9月9日発売の週刊東洋経済では新市場を創出しつつある有望ビジネスを、八つの成長テーマに分類。本記事では、日本の製造業に眠る、ものづくりの底力について見ていこう。

自動車業界で生まれた画期的な新技術

日本経済を牽引してきた自動車産業で、画期的な新技術が生まれつつある。ドライバーが運転の操作をしなくても走行できる──SF映画に出てきそうな自動走行車の開発が日本で進んでいるのだ。8月28日、日産自動車は、2020年までに自動運転技術を搭載した複数車種を実用化する、と発表した。

こうした自動走行車を、研究開発用ながら、すでに販売している日本企業がある。東京・文京区に本社を構えるゼットエムピー(ZMP)だ。レーダーやカメラ、全地球測位システム(GPS)情報などを駆使し、ハンドル、アクセル、ブレーキをすべて自動制御して走行する。その名も「RoboCar(ロボカー)」。09年から販売を始め、累計で340台以上を売り上げた。ミニサイズの「RoboCar 1/10」に始まり、1人乗り電気自動車の「RoboCar MV、MV2」、ハイブリッド車の「RoboCar HV、PHV」をリリースしてきた。

次ページロボットと車という二つの産業を組み合わせる
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