汚染水漏れなど続出、”東電任せ”の限界

政府支援の行き着く先

(写真:ロイター/アフロ)

「東電任せでは解決は困難。国が前面に出る」。茂木敏充経済産業相は、今後の汚染水対策は国が主導していく方針を表明した。2013年度の予備費を投入し、資金的にも関与を強めていく。東京電力ともども後手後手の対応でリスクとコストを肥大化させている印象も否めないが、政府はなぜ重い腰を上げたのか。それは、福島で深刻な海洋汚染が次々と表面化し、国際的な批判が猛然と高まってきたからだ。

国際的批判で尻に火

東電が事故直後以来、初めて汚染水の海洋流出を認めたのが7月22日。8月7日には経産省が、汚染された地下水が海洋に流出している量は1日300トンとの試算を発表。そして同20日、地上タンクから300トンに上る高濃度汚染水が漏洩したと東電が発表し、翌日にはタンクの汚染水が原発の港湾内ではなく外洋に流れた可能性を認めた。

事ここに至って、海外メディアも大きく報道。海洋汚染の深刻さや日本の危機対応能力への疑問に加え、アベノミクス景気や五輪招致への悪影響すら指摘されだした。国の名誉や評判が失墜する事態に直面し、政府も尻に火がついた格好だ。

深刻な汚染水問題が起こった背景に、東電のずさんな管理体制があるのは言うまでもない。

対象のタンクは溶接して建造したものではなく、鋼板の接合部をパッキンで埋めてボルトで締めたフランジ型。パッキンの耐用年数は約5年しかなく、破綻は時間の問題だった。そのフランジ型が、全タンク約1000基のうち350基を占める。

タンクに水位計もなかった。「普通はリモートで液面監視する。水位計もないのは驚き」(プラント設計の専門家)。タンクを囲む防水堰は低く、排水弁も開いていた。また、問題のタンクには過去の地盤沈下で損傷した疑いが出ているが、基礎の杭打ちなどの対策もなかった。基本設計がまったくなっていないのだ。

7月に港湾内への汚染水流出を認めた際には、現場で測定していた観測井戸のデータが本部と共有されていなかった、という信じられないような話が東電側の釈明から出た。外国人有識者を含めた東電の原子力改革監視委員会の社外委員たちも会見時、あきれかえった様子だった。

次ページ続く”東電任せ”
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