フクシマにトルコ、世界でウソが蔓延中だ

3大映画祭を制したファティ・アキン監督に聞く

『愛より強く』で2004年、ベルリン国際映画祭金熊賞(グランプリ)を受賞、『そして、私たちは愛に帰る』(07年)でカンヌ国際映画祭の最優秀脚本賞と全キリスト協会賞、『ソウル・キッチン』(09年)でベネチア国際映画祭審査員特別賞を受賞し、ヨーロッパが誇る3大国際映画祭を30代で制覇したトルコ系ドイツ人の映画監督ファティ・アキン。最新作『トラブゾン狂想曲~小さな村の大きなゴミ騒動』(シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開中)は彼の祖父母の故郷であるトルコ北東部黒海沿岸の町トラブゾンの郊外にある小村チャンブルヌのゴミ騒動を描いたドキュメンタリー映画だ。

2005年、チャンブルヌを初めて訪れたアキン監督は「ここは天国だ!」とその美しい風景に感動した。同時にその村にゴミ処理場の建設が予定されていることを知り、ショックを受けた。そして、村に起こる事実を記録するという使命にかられ、村を何度も訪れ、村人の力を借りて5年間にわたり、ビデオを撮りためた。

2012年のカンヌ国際映画祭にてプレミア上映された『トラブゾン狂想曲~小さな村の大きなゴミ騒動』には茶畑に囲まれた美しい村がゴミ処理場建設とその稼働によりしだいに汚されていく過程が淡々と描かれている。そこには、ゴミ処理場を地域の必要悪とする県知事やのれんに腕押しの処理場責任者、地道に反対運動を続ける住民たち、未来を嘆き村を後にする若者たち、それでも村に残る中高年たち、さまざまな視点が交差する。人と人とのエゴがぶつかり合う答えのない問題にもかかわらず、そこはかとないユーモアが漂うのはアキン監督の味だろう。

アキン監督に7月上旬、スカイプにてインタビューを行った。無精ひげとくしゃくしゃの笑顔、日本人の3倍くらいやかましい大声で、全身のジェスチャーを交えながら熱く語る彼は、いかにもトルコの北部出身の男だった。

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