中国版ツイッター、ウェイボーの危機

中国で動き出す「ウェブ整風運動」

 この連載コラムでは、中国のみならず、台湾、香港、東南アジアを含む「グレーターチャイナ」(大中華圏)をテーマとする。私は20代から40代前半の現在まで、留学生や特派員として、香港、中国、シンガポール、台湾に長期滞在するチャンスに恵まれた。そうした経験の中で培った土地勘を生かし、「大中華圏」 での見聞を硬軟取り混ぜて皆さんにお伝えしていきたい。
ウェイボーへの取り締まりを強める、習近平政権(写真:ロイター/アフロ)

共産党指導部のかつてない大ナタ

このほど中国で開かれた元重慶市トップ・薄熙来の汚職事件の裁判の様子が、中国版ツイッター「微博」(ウェイボー)で実況中継された。あたかも中国の情報公開が微博を通じて前進しているかのようなイメージで伝えられたが、それはまったく正しくない。

むしろ今、中国人にとって最大のSNSツールとなった微博に対して、共産党指導部は、かつてない大ナタを振るおうとしているのである。

中国には「整風」という怖い言葉がある。もともとは風紀を整えるとか悪行を矯正させるという意味だが、1940年代に毛沢東が党内の反対派を粛清するための運動で「整風」使って以来、共産党として好ましくないものを一掃するという意味の政治用語に変わった。

今、中国では「網絡整風運動」(ウェブ整風運動)が始まったと、もっぱらのうわさである。

上海郊外の高速鉄道事故では当局の隠匿工作を明るみに出し、「微博問政」(微博によって党・政府の腐敗を追及すること)が流行し、利用者は3億人を突破した。微博によって誰もが口を開く権利を持つ、かつてない自由な情報空間が広がったかに見えた。

しかし、微博の影響力が大きくなりすぎて共産党の言論統制を揺るがしかねないと認識した指導部が、本格的な「整風」に向けて動き出したのである。そして、すでにその「生け贄」にするかのような摘発が次々と行われている。

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